東芝、トルコとの原子力発電所契約まであと一歩―フィナンシャルタイムス紙報道
2011年02月07日付 Hurriyet 紙
日本の電子工学企業である東芝は、トルコ政府との間で黒海地方への原子力発電所建設の契約まであと僅かであることを明らかにした。昨年トルコと韓国の企業の間での交渉が決裂していた。
東芝の佐々木則夫社長は、契約は日本政府による同社への長期的リスク保証が行なわれるか否か次第であると述べた。日本政府は、原子力テクノロジー分野で活動する日本企業が、国の支援を受けた韓国やロシアのライバル会社と競争していけるよう、資金面での支援を強化しようと努めている。
黒海地方のプロジェクトが実現すれば、東芝は、2015年までの目標としていた年間1億2,200万ドルの売上を、前倒しで達成することになる。佐々木社長はこの目標に関し、「現在、2014年に達成できるのではと話していますが、これより早くなる可能性もあります」と話した。
佐々木社長は次のように続けた。
「トルコの関係者たちは明確に、東芝が開発した改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を望んでいると言いました。もし(保証)条件が整えば発電事業への着手が始まり、望み通りに進行していくだろうと考えています」
■目標はトルコのような市場への進出
原子力発電所の建設を手掛けていたアメリカのウェスティングハウス社を2006年に買収した東芝は、同時に自社の原子力部門にも投資を行なっていた。東芝はこれまで開発した原子炉の大部分を日本に建設している。今後は更なる輸出を目指し、原子力に関する経験が皆無といっていいほど浅いトルコのような市場に進出しようとしている。
佐々木社長はトルコのプロジェクトへの期待について、次のように語った。「彼らは発電所を建設し、稼働させ、初期の費用をまかなうために生産した電力を売ってくれる誰かを探しています。・・・・このような15~20年継続されるプロジェクトには、地震や政変といった、民間の企業では太刀打ちできないリスクが存在します」
トルコは、石油や天然ガスの輸入依存を軽減するため、長年のあいだ原子力発電所の建設を試みてきた。2008年に行なわれた入札では、企業のほとんどが然るべき保証を与える条件が整っていないとして撤退し、ロシアのアトムストロイエクスポート(Atomstroyexport)社のみが応札していた。
その後トルコは協議を重ね、最初の原子力発電所の建設でロシアと合意した。黒海地方への建設が予定される二つ目の発電所については、11月に韓国電力公社(KEPCO)との協議が物別れに終わると、日本との包括的な話し合いに移った。
トルコのエネルギー天然資源省は、日本との技術的な交渉は三月末まで続けられ、それまでは他の企業との交渉は行なわないと発表した。他方で同省の代表者は、韓国との合意に至らなかった最も大きな原因の一つとされる、国による(電力)購入保証という選択肢を日本に提示することは問題ないと述べた。
※原文註:この記事はフィナンシャルタイムス紙に”Toshiba upbeat on Turkey nuclear deal”というタイトルで報じれたニュースに基づいています。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:21399 )