「トルコ国軍は張子の虎」バトゥームCHP副党首問題発言
2011年02月08日付 Yeni Safak 紙

共和人民党(CHP)のスヘイル・バトゥーム氏は、エルゲネコン事件の被疑者を国会議員にしようと、先頭を切って働きかけを行っているが、トルコ国軍がクーデターを実行しなかったとして軍を侮辱した。バトゥーム氏は、「巨大な軍隊を倒したら、どうも張子の虎だったようだ。我々はこれを本物の軍隊だと思っていたらしい」と話した。政治家たちはバトゥーム氏に反発している。

アタテュルク思想協会(ADD)のゾングルダク支部を訪問したCHP副党首のスヘイル・バトゥーム氏は、軍がクーデターを実行しなかったとして軍部を侮辱した。自分たちは真剣に闘っていると語るバトゥーム氏は、「巨大な軍隊を倒したら、どうも張子の虎だったようだ。我々はこれを本物の軍隊だと思っていたらしい。どうもアメリカが中身をくり抜いたようだ(骨抜きにしたようだ)。彼らはその巨木(軍隊)をばさっと倒しはしたが、CHPを倒すことはできなかった」と話した。

バトゥーム氏は、スィリヴリ刑務所にいる(エルゲネコン事件の)被疑者を国会議員にする案が浮上していると話した。「提案は(計画)途上にあります。党会議が招集されるとき、このことを議題にあげる予定です。絶対に後ろには引きさがりません。この案が認められるかどうかは分かりません。4月には明らかになるでしょう」。

バトゥーム氏の発言には驚きもしないとする公正発展党(AKP)会派代表のベキル・ボズダー氏は、次のようにコメントした。「軍がクーデターを起こしていたならば、民主主義に介入していたなら、軍はCHPにとっての英雄となっていたでしょうに。しかし国民の総意を尊重してみたところ、軍は張子の虎となったのです。米国が、その中身を捨て去ったのです。バトゥーム氏の発言は、トルコ国軍(TSK)になされた最大の侮辱です。さらにこの発言は、CHPが国民から希望を奪い去り、民意を無視し、権力を求めていることの具体的な現れなのです。CHPの物の考え方によると、クーデターを実行しない軍隊は好きではないのです」

■また勢いづいたバトゥーム氏

元CHP党首のハサン・ジェラル・ギュゼル氏は、CHPのバトゥーム氏が軍を侮辱し、さらに挑発していると述べ、「スヘイル・バトゥーム氏は勢いづいてきています。大分以前にも5万人を集め、エルゲネコン裁判に圧力を加えると話していました。司法の手から被疑者を解き放ち、その人を国会議員にしようとしています。バトゥーム氏は、いろいろな考えが埋蔵されている鉱山のようです。彼からはさらにユニークな考えがでてくるでしょう。完全にジャコバン派(政治上の過激派分子)と同じです。軍を刺激しようとしています。(バトゥーム氏の考えは)50年前のもの(時代遅れのもの)です。これらの表現はバトゥーム氏にピッタリです」と話した。

■CHP指導部は説明を

民族主義者行動党(MHP)事務局長のジハン・パチャジュ氏は、トルコ国軍は国民にとって大切なものであると述べ、「トルコ国軍は、現在の姿を見る限り、民主主義と法の優位性を信じ順守する組織です。この優秀な軍隊の権威を失墜させ、道徳観念を破壊するような表現は差し控えねばなりません」と話した。

元CHP事務局長で研究者であるタルハン・エルデム氏も、民主主義的な政党ではバトゥーム氏のようなこうした表現をすることは認められるものではないと指摘した。エルデム氏は、CHP指導部が弁明する必要があると述べた。「バトゥーム氏の言葉は、経験不足によるものだと思います。CHPが、「我々には(バトゥーム氏の発言のような)こうした考えはありません」というように説明するのを待っています」

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:21414 )