コラム:イエメン国会議長、エジプト革命に否定的発言
2011年02月13日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ エジプト革命に不快なコメント
■ クドゥスの見方
2011年02月13日『クドゥス・アラビー』
イエメンでは、南部地域でも首都サナアでも、抗議デモが続いている。民主主義、政治改革、汚職根絶、政治体制のあらゆる面での根本的変革が求められている。
この状況下では、イエメン街頭をこれ以上刺激せぬよう、つまり緊張状態により政府が陥っている困難をこれ以上増やすことのないよう、コメントを避けるのが政権幹部たちとしては賢明な対応であるはずだ。
しかし、イエメン国会議長ヤヒヤー・アッラーイー氏が昨日述べたとされることは、全く上記にあてはまらず、イエメン国家の高官たちの質を衆目にさらし、彼らを政治生活から追放する必要性を訴える人々の立場を納得させるものであった。
『ニューズ・ヤマン』サイトが伝えるところによれば、国会開催中アッラーイー氏は、「エジプトで起きたことは同国と同国民にとり不名誉なことで、イエメンの人々は理性的でいなければならない」と述べた。同サイトは、アッラーイー紙がエジプト革命支持声明案を拒否したとも伝えている。
同氏の発言は、昨今のアラブ元首の取り巻きたちの考え方を明白に示している。サーリフ大統領がエジプト軍最高評議会議長タンターウィー将軍と電話会談を行い、エジプト国軍が治安と国の統一を維持し、「エジプト国民が期待する自由、民主主義、復興、進展の全てを実現する」ために行うあらゆる対策をイエメンは支持すると述べたのを知らなかったのだろうか。
民主主義、自由、汚職撲滅、不正国会の解散、国民の財産を盗んだ者たちの追求、これらを要請する国民の革命が、アッラーイー氏の発言によれば、エジプト国民の不名誉となるという。では一体何が彼らの名誉となるのか。独裁制、警察国家、自由の抑圧、選挙の不正と公金横領か?
世襲を許すための憲法をつくり、国民の半数(4000万人)が日に2ドル以下の暮らしをしているというのに、700億ドル以上も資産をため込むような大統領に、30年以上もエジプトを治めさせて、アッラーイー氏は満足なのだろうか。
同氏が発言したとされる内容が不正確だったならよいのだが。現下のイエメンならびに周辺国の情勢の中、自由と国民の利益を守るはずの立法機関の長が、そのような発言をするなど想像できない。
同氏にこの発言の撤回を求める。これは、イエメンとその国民、その輝かしい文明的歴史にとって不名誉なものだからだ。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:21497 )