エジプト改憲委員会の人選にコプト・キリスト教徒から反対の声
2011年02月15日付 al-Quds al-Arabi 紙
■コプト教徒の活動家たち、ムスリム同胞団を含んだ改憲委員会の人選に反対
2011年02月15日付『クドゥス・アラビー』
【カイロ】
コプト教徒の活動家たちは火曜日、軍が任命を発表した改憲委員会にコプト教徒を代表する人物は入っていないのに、ムスリム同胞団の意見を代表するメンバーが含まれていることへの反対を表明した。
エジプトのコプト教徒たちのNGO「人権のためのエジプト連合」のナギーブ・ギブラーイール代表は声明を出し、「軍最高評議会が任命した委員会の人選に数百万のコプト教徒が反対している」「コプト教徒は入っていないのにムスリム同胞団のメンバーが委員会に入っていることは、コプトとムスリムの血が混じり合った1月25日革命の原則と矛盾する」と述べた。
またギブラーイール代表はAFPに対し、「最高憲法裁判所の副長官の一人であるサーミー・ユースフ裁判官はコプト問題に何ら関わっていない人物であり、コプト教徒の代表とはみなされない」と明言した。そして、ユースフ裁判官が「ただの法律家に過ぎない一方で、明らかにムスリム同胞団を政治的に代表しているスブヒー・サーリフ(ムスリム同胞団系の元議員)が委員会に入っている上に、委員長のターリク・アル=ビシュリーはイスラーム主義的な姿勢で知られている」と語った。
声明は「コプト教徒の活動家代表が水曜日に軍最高評議会のフセイン・タンターウィ議長に覚書を提出」し、コプト教徒を委員会に加えるよう要請すると書かれている。さらに声明は「軍最高評議会がこの国の憲法を制定あるいは改正・変更するために委員会を選任するにあたっては、国民とその革命の意向に沿った市民的国家を築こうという決意のもとに発表されるべきである」として、「(憲法改正にあたる)委員会はいかなる宗教的、党派的、政治的、宗派的方向性とも無縁な人々で構成される」よう、要求している。
軍最高評議会は火曜日、エジプト国家評議会の元議長ターリク・アル=ビシュリー氏を委員長とする8人の委員を公表した。ビシュリー氏は実直で清廉な人物として知られ、尊敬を得ている裁判官であるが、イスラーム主義的な思想傾向を持っている。また委員会にはムスリム同胞団系の元議員で弁護士のスブヒー・サーリフ氏も入っているが、そのほかの政治系統を代表する人物は1人も含まれていない。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:21514 )