リビア東部などで「怒りの日」抗議デモ、治安部隊と衝突
2011年02月18日付 al-Hayat 紙


■ リビア:東部で「怒りの日」

2011年02月18日『アル=ハヤート』紙

【ロンドン:本紙】

リビアでは昨日、ムアンマル・カッザーフィー体制に反対する勢力が呼びかけた「怒りの日」での一連の出来事が、先行き不透明な情勢に包み込まれた。首都トリポリではカッザーフィー大佐の肖像を掲げた体制支持者らが街頭に繰り出し、反体制勢力の動きは一切見られずかなり平穏だったと見られるが、リビア東部は治安部隊とデモ隊の衝突の中心地となった。特にベイダ(トリポリの東1200km)とベンガジ(トリポリの東1000km)の2都市などで、少なくとも19人の死者と数十人の負傷者が出たと伝えられている。

リビア国営の報道機関は国内で発生した事件を一切報道していないが、トリポリその他の都市で現体制を支持し、あらためてカッザーフィー大佐に「革命指導者」として忠誠を誓うデモが行われたとの情報は伝えた。公式メディアが事件についての報道規制を行うなか、リビアの反体制勢力のウェブサイトには特に東部の各都市で発生した衝突について継続的に伝える情報が多数発信された。ただしこれらの情報の信憑性に関しては、独立系の情報筋によって確認はされていない。

ツイッター上のサイト[ホーム]「未来のリビア」では、ベイダ市内の学校・大学では授業が停止され、銀行では業務が停止されたと発表した。『今日のリビア』紙のサイトではベイダ市民の目撃情報として、「国内治安部隊が広場で午後の礼拝を行っていたデモ参加者らを攻撃した。治安部隊に対して『平和的デモだ』と訴え、治安部隊は『わかった』と返答したにも拘わらず、デモ隊に発砲して多くの負傷者を出した」と伝えた。また、ナースィル・ミフターハ・アル=クトゥアーニーという男性が国内治安部隊本部前で治安部隊の銃弾により負傷し、後に死亡したという。また別の筋の情報によると、ベイダ市での衝突による死者数の合計は4人に達した。市内ではインターネットのサービスが完全に停止している。

『コーリーナー』紙はウェブサイト上で、公安全国人民委員会 (内務省)が昨日、水曜日にベイダ市で起きたデモで2人が死亡したことを受けて地元の治安責任者を解任したと伝えていた。

一方、『今日のリビア』紙によると、東部の中心都市ベンガジ市では「デモ隊と治安部隊との激しい衝突」が発生し「デモ隊に対して実弾が」発射された。また、「現在までに6人の死者が出ている」との情報があると伝えている。ベンガジ市では「怒りの日」の前日からデモが始まり、火曜日(15日)の夜から水曜日(16日)の未明にかけて38人が負傷した。

また、反体制勢力がウェブサイト上に掲載した他の情報によると、カッザーフィー体制は「エジプト人やアフリカ系の暴徒を動員し、労働者の服装をさせて刃物や拳銃を装備させる」という手段に訴えており、この暴徒らが現在ベンガジ市内で「本当の虐殺」を繰り広げているという。

トリポリでも「市の西側の入り口に当たるザーウィヤ、サルマーン、ジャンズールといった地域」を中心に衝突が起こっており、デモ参加者らは「体制の打倒を叫びながらトリポリ市中心部の殉教者広場」を目指しているという。

トリポリ市南西のゼンタンでは、デモ参加者らが市内の治安部隊本部に放火し、カッザーフィー大佐の肖像写真を燃やす様子を映したビデオ映像がインターネット上で公開された。

AFP通信がジュネーヴに本部を置く人権団体「ヒューマン・ライツ・ソリダリティ」の入手した目撃情報として伝えたところでは、建物の屋上に配置された狙撃手によって13人が殺害され、数十人が負傷したという。

SNSサイト「フェイスブック」では、およそ42年前から鉄拳支配を続けてきたカッザーフィー大佐に対する「怒りの日」の抗議デモに参加するよう呼びかけが行われていた。

(後略)

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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:21538 )