コラム:チュニジア前大統領夫人引き渡し要請
2011年02月21日付 al-Quds al-Arabi 紙
■サウジに対するライラ・タラーブルシー引き渡し要請
■クドゥスの見方
2011年02月21日『クドゥス・アラビー』
アラブ各地で起きている革命、特にエジプトとリビアでのそれのため、チュニジア情勢はメディアのスポットライトから遠ざかった。しかし、まだ見過ごせない動きがいくつかある。昨日、チュニジア国営通信が政府報道官の談話として伝えたところによると、同国はサウジアラビアに対し、違法な汚職行為にかかわった疑いでライラー・アッタラーブルシー前大統領夫人を引き渡すよう公式に要請した。
要請は、前大統領夫妻とその一族が庇護を求めたサウジ政府の面子を失わせるものだ。国際法が保証するこの合法的要請にサウジはどう対応するだろうか。サウジを支配する一族は、それらの法には縛られていない。彼らは自分の利益に合致するよう条項を解釈し、望むとおりに法を改正する。したがってチュニジア政府のこの要請に応じるとは考えにくい。大統領やその夫人の引き渡し、彼らの資産凍結などを受け入れないだろう。
サウジが政治亡命者を引き渡したという先例は見られない。それどころか、インターポールが来たとしても、そのような要請には応じないことを常々誇りとしているぐらいだ。
ライラー・ベン・アリー夫人とその親族、腐敗した取り巻きたちは、前大統領と国民との間に溝をつくることに大いに貢献した。前大統領が辞任前の最後のスピーチで、自分をスポイルしたこれらの取り巻きを信じていたと告白したとおりだ。
ライラー夫人の一族が権力を乱用し得た資産は数億ドルと見積もられる。チュニジア政府は、断固としてこれを国庫へひいては国民へ取り返さなければならない。
さて、追放された為政者たちは気付き始めた頃だろう。数百万数十億の蓄財は、安らぎも慰めも保証しない。それどころか、何処へ行こうと追跡される呪いと化すのだ。このような資産を預かった銀行のある欧米諸国の政府は、その凍結を決定した。
ムバーラク大統領とその子息も、この点では同様だ。資産を凍結され、何処へ逃げようと新政府が追求してくるだろう。チュニジア、エジプト両国よりもさらに良くない状況のリビアで現在起きている革命が成功した暁には、リビア指導者とその子息たちも、この追われる者たちのクラブに参加することになる。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:21597 )