ギュナイ文化観光相、独にヒッタイトのスフィンクス返還求める
2011年02月25日付 Radikal 紙
ターゲシュピーゲル紙の報道:「ギュナイ文化観光相はハットゥシャ(訳注:ヒッタイト王国の都)のスフィンクス返還のため、ドイツに6月までの猶予を与えた」
ドイツのターゲシュピーゲル紙は、ギュナイ文化観光相がドイツに対し、ベルリンの古代近東美術館(ペルガモン博物館南館)にあるハットゥシャのスフィンクスを、6月までにトルコへ返還するよう求めた、と報じた。
ギュナイ観光相は記者会見を行い、ドイツがハットゥシャのスフィンクスを6月までに返還しない場合、ドイツ考古学研究所(DAI)のハットゥシャ発掘許可を取り消すと述べた。
記事によると、トルコ政府はドイツ政府とこの件で話し合いを始め、ギュナイ観光相が「もしハットゥシャから持ち出された遺物が戻ってこないならば、ドイツの研究所に発掘許可を出すことなどあるでしょうか。発掘のシーズン開始までに(返還の)約束がなされないならば、ハットゥシャでの発掘許可を取り消す決定を出します」と語ったという。
またギュナイ氏は、ドイツの考古学者たちとの調査・協力によってトルコも利益を得る必要があるとし、しかしながら昨年ペルガモン以外の発掘地域で、(発掘許可を与える)条件となっている(遺跡の)修復計画を実施した所はなかったとし、「トルコには、新しい大学も、新しい考古学研究所も、勤勉で有能な考古学者もいます。この分野で我々が望む協力が得られないならば、迷わず発掘権を国内の大学へ引き渡します」と発言した。
さらに会見では、かつてトルコがベルリンのペルガモン博物館へ一時的に送った遺物に関して苦い経験をさせられたので、この博物館で10月に開催予定の特別展示に遺物を送ることについて、なんら確約していないと述べ、相手側に真摯な態度が見られた場合のみ、特別展に遺物を送ることになるということを、そして何年もの間、トルコが与えるだけで、遺物の返還を要求しても、無視されてきたと語ったという。
ターゲシュピーゲル紙には、「トルコは原則として歴史的遺物は発見された場所へ返還されるべきだとの見解を持っているが、すべての考古学的遺物の返還を求めた場合、トルコは多くの法的議論や見解の相違といった問題に直面するだろう」というギュナイ観光相の言葉も掲載された。
同紙には、トルコは上記の理由から現在ハットゥシャのスフィンクスのみの返還を求めており、この遺物が返還されないことは協定に反するというトルコ側の主張も載せられているが、ドイツ政府はこの遺物の返還に反対していることをも報じている。
また記事によると、文化観光省は、以前ドイツ考古学研究所に与えた西アナトリアのアイザノイ古代都市の発掘許可を、ドイツの発掘責任者が1年で最長で2週間しかその地区へ行かなかったという理由で取り消したことがある。その後発掘調査はキュタフヤ大学に引き継がれた。ハットゥシャでのドイツの考古学者による発掘調査は1906年から続いているという。
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:21633 )