アズハル総長:リビアの体制は合法性を喪失した。その支配は今や不当な強奪者のものにすぎない
2011年02月26日付 Al-Ahram 紙
■アズハル総長:リビアの体制は合法性を喪失した。その支配は今や不当な強奪者のものにすぎない。
2011年2月26日 『アル=アハラーム』紙
アズハル総長の大イマームであるアフマド・アッタイイブ師は次のように断言した。リビアの支配は今や民衆の血を流し、抑圧と攻撃により人々に牙を剥く、不当な強奪者による支配となっており、その体制は合法性を喪失した。それははかない権力を守ろうとするがゆえ、また権力者およびその支援者がなす民衆に対する忌まわしい犯罪のゆえであると。
アズハル総長は今日の声明のなかで、西洋社会にこう訴えた。倫理的な責任に従い、油田や油の安定供給の方法に関心を払うよりも、自由を求める人々が流す血に関心を払う方が正しいのではないかと。またアズハルは、その(イスラム)法上の、およびアラブ民族として、また人間としての責任に従い、リビアのすべての要人、リビア軍の将校および兵士に対して次のように求めたことを明らかにした。政権に従い、リビアの人々の血を流し、不法なものを合法とするような真似を止めるようにと。さもなければ、現世においても来世においても責めを受けるような犯罪に加担することになるのだからと。
さらにアッタイイブ博士はアラブ人、イスラム教徒、そして世界各地の名誉ある人々に訴えた。人道的支援、医療面の支援、そしてすべての可能な援助と支援を提供することにより、同胞であるリビアの民衆の支援に駆けつけるようにと。またエジプトの関係方面には、より一層の人道的な支援の提供に着手すること、またリビアの現政権の横暴と敵対行為に苦しむ(在リビアの)エジプト人を救出しその安全と権利の保護のために可能なすべての手段をとることを呼びかけた。
アズハル総長は声明のなかで、リビアにおける流血事件を、心を痛めながら追ってきたことを明らかにした。また、英雄的なリビアの闘士たちは権利を奪われ殺された殉教者であること、そして支配者ははかない権力を維持するために民衆の血を流すことなどあってはならないという自らの見解をあらためて確認した。ムアンマル・カッザーフィーおよびその支援者の犯罪が続いているなか、アズハル総長の責任としておよびアラブ民族の一員たる者として、カッザーフィーが民衆と祖国に対しておかす抑圧と敵対行為という忌まわしい犯罪を糾弾することが、アズハル総長の義務であると考えることをも確認した。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:21641 )