エルドアン首相はドイツで、1980年9月12日のクーデターの間に国外に亡命せざるを得なかった知識人に、「帰国のための扉は広く開け放たれている」と呼びかけた。エルドアン首相は、「望郷の念を抱いている芸術家や作家の方々を、トルコの変革のために、トルコで貢献していただくために私は呼びかけている」と述べた。

情報・通信技術の分野において、世界屈指のフェアであるジェビット情報フェアの開会式に参加するため、ドイツを訪問したレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、デュッセルドルフ市でトルコ人同胞に向かって演説した。ＩＳＳドームを埋めつくした1万3千人の熱狂的な群衆に向けて話したエルドアン首相は、1980年のクーデター後に起こった出来事のために亡命せざるを得なかった知識人に、「帰国」の呼びかけを行った。エルドアン首相は、「扉はもはや彼らのために、広く開け放たれていると伝えたい」と述べた。

エルドアン首相は、演説で、トルコで急速に進む発展について説明した。統合、イスラーム嫌い、そしてとリビアと民主主義的門戸開放などの問題に触れた。トルコが、力をつけつつある経済と活発な外交によってだけではなく、民主主義の基準の高まりと国民の一体性と友好的なプロジェクトによっても、今までとは異なる国になっていることを述べた。亡命した知識人が国に戻るための法的な条件は整っていると述べて、「過去に起こった弾圧により、表現の自由においておこった問題のために、ヨーロッパに亡命しなければならず、ドイツで生活しなければならなかった芸術家たち、作家たちも、この機会に、国に、トルコに戻ってくるよう私は呼びかけます。意思に反しここに留まり、帰国を待ち望んでいて、望郷の念を抱いている芸術家や作家の方々にたいし、トルコの変革のために、トルコで貢献していただくために私は呼びかけている。扉は、もはや広く開け放たれていることを伝えたい」と話した。1980年9月12日のクーデターの時に1万4千人が国籍を捨て、3万人が「政治難民」として亡命しなければならなかった。

エルドアン首相は、自由と人権について自分たちがお手本であるというヨーロッパが、アラブ世界での民主化運動に対して声を上げないことも批判した。「石油がない国に対して民主主義を求め、人権を求める者たちは、どうして石油がある国に対しては黙っているのか」と疑問を投げかけた。これは、ダブルスタンダードであり、偽善的であると述べた。エルドアン首相は、「民主主義を標榜する方面からの声は上がってきていない。人権擁護を標榜する人々からの声も上がってきていない。話がエジプト、チュニジア、リビアになると、ナイフをもってしてもその口は開くことはない。それはなぜか。彼らは、民主主義に値しないというのか。人権には、かの地の人々は含まれないのか。民主主義とは一部の特定地域の人々の権利だというのか。そしてこれが、今日の中東で、北アフリカで、人々をデモに駆り立てる正義を欠いた、不法なる、そしてダブルスタンダード的な認識である」と批判をした。

エルドアン首相は、演説で、ドイツを筆頭にヨーロッパで増えている外国人敵視に大きな不安を感じていると強調した。反ユダヤ主義のようなイスラームへ嫌いは人道的な罪であると述べた。ヨーロッパの政治家たちに、政治的利益のために外国人敵視を扇動しないよう警告した。外国人出稼ぎ労働者たちにも、「統合には賛成である。絶対にドイツ社会に統合しなければならない。しかし、同化には反対である」と呼びかけた。「何人も、何人たりとも私達を私たちの文化から引き離せない。我々自身の文明から引き離せない。民主主義は、多様性に対して柔軟である。民主主義は、異なるものに敬意を払う」と述べる一方、「誰も他人に対して、自分たちのようになるよう強いることはできない」と警告した。外国人労働者は、ドイツ語とトルコ語を学ぶことが望ましいとした。またドイツでは、あらゆるレベルで、行政でも、政治でも、市民運動においてもトルコ人が位置を占めることが必要であると述べた。ドイツのメディアにも、彼らの発するメッセージをゆがめないことを望んだ。

エルドアン首相は、外国人労働者にもメッセージを残した。ドイツのトルコ人同胞に対して、トルコ国籍を捨てた場合に限りドイツ国籍が与えることに言及したエルドアン首相は、「ドイツ国籍取得者のために始められたブルーカードが、IDカードとして認められることになると話した。在外トルコ人が在外公館で投票権を行使することについても、前向きな結果を待っていると述べた。

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（ 翻訳者:新井慧 ）
（ 記事ID:21651 )