コプト総主教、宗教政党結成を否定、エジプト憲法第2条の廃止も求めないと強調
2011年02月28日付 Al-Ahram 紙

■コプト総主教、憲法第2条の廃止は求めないと強調

2011年02月28日付『アル=アハラーム』紙

【ハーニー・イッザト】

 エジプト人権連盟の会長でシュヌーダ三世総主教の法律顧問を務めるナギーブ・ギブラーイール氏は、宗教政党をコプト・キリスト教徒が結成する意思を否定し、そんなことをすればエジプトを宗派間で分裂させることになり、祖国全体の利益を害すると語った。

 先週月曜日に行われた会合でシュヌーダ総主教は以下の3点を強調したとギブラーイール氏は語った。第1に、コプト教徒は国民の義務として、選挙の工程を遵守する。第2に、コプト教徒としてではなく、エジプト人として、政治活動に参加する。この点について総主教は、コプト教徒が結成するいかなる政党にもイスラーム教徒を参加させるよう求めた。

 続いて総主教は3点目として、[イスラームを国教とし、イスラーム法を立法の主要な法源とすると定めた]憲法第2条の廃止を求めないことを確認した。廃止を求めればイスラーム教徒の心情を刺激することになるためだ。コプト教徒の要求は、非イスラーム教徒にもそれぞれの宗教法を実践する自由を認める一文あるいは一段落を、第2条に追加することであると総主教は明言したという。

 ギブラーイール氏は現在、エジプト連盟党の結成を準備しており、木曜日に党の政策と創設メンバーを公表すると語った。社会的地位のある多くの人物たちが党への参加を表明しているという。

 また同氏は、今回の革命が宗教的な装いをとることへの懸念がコプト教徒の若者たちの一部にあると指摘した。その理由としては、先々週の金曜日にカラダーウィー師がタハリール広場でデモ隊を前に説法(フトゥバ)を行ったことと、[2月21日にコプト教の司祭が自宅で殺害されているのが発見された]アスユートでの事件が挙げられる。だが同氏は、コプト教徒たちは国民に挫折を味あわせることを望んでおらず、宗教国家ではなく市民国家を目指す穏健な潮流を歓迎すると指摘した。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:21655 )