サウジに立憲君主制を求めたシーア派学者逮捕、知識人数百人も同様の訴え
2011年02月28日付 al-Quds al-Arabi 紙
■サウジアラビア当局、立憲君主制を説いた王国東部のシーア派学者を逮捕
2011年02月28日付『クドゥス・アラビー』
【ロンドン:アフマド・アル=ミスリー】
サウジ当局は日曜夜、[シーア派住民が多い王国東部の]アフサー地区で人権と市民的自由の擁護者として最も知られているタウフィーク・アル=アーミル師を拘束した。アーミル師が先日、王国に立憲君主制を求めたためだ。
関係筋からの情報としてシーア派のニュースネットワーク「ラースィド」が伝えたところによると、アーミル師は日曜夜、正式な召喚を受けてアフサー地区の捜査局(マバーヒス)に出向いたところを、ダンマームの捜査総局に連行された。
アーミル師に近い筋は、日曜の夜半に電話連絡を受け、同師はダンマームの捜査総局で拘束されており、面会禁止だと告げられたと語った。
アーメル師が拘束されたのは、先週金曜日にアフサーのアインマ・バキーウ・モスクで同師が説法(フトゥバ)を行い、立憲君主制への移行と宗派間差別の制限をはじめとする一連の政治改革を呼びかけたためだ。同師は三権の分立を保障し、政党活動を合法化する憲法の制定を含めた立憲君主制を求めていた。
また同師は、世界の民主化ランキングにおいてサウジは167カ国中160位、アラブ世界の中でも22位と遅れを取っていることを批判していた。
この拘束のおよそ2週間前、アフサー地区当局はアーミル師を呼び出して、同師の宗教活動を制限する誓約書に署名するよう求めたが、同師は署名を拒絶した。サウジ当局はこれまでにも、シーア派に宗教的権利を行使する自由を求めたことで、アーミル師を数回拘束している。
また、アーミル師が拘束されたのと同じ頃、サウジの知識人300人以上が、立憲君主制の樹立要求を筆頭に掲げた改革のための国民宣言を発表した。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:21671 )