独メディア、エルドアンのトルコ系移民への演説を批判
2011年03月01日付 Milliyet 紙
ドイツの新聞各紙は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相がデュッセルドルフでドイツ在住トルコ人に向けて行った演説を、概して批判的に伝えた。
ビルド紙は、「トルコ首相の酷い演説」という見出しの記事の中で、エルドアン首相が扇動的な演説を行ったと報じ、デュッセルドルフで選挙運動を行い、トルコ人のドイツ社会への統合を逆なでしたと伝えた。
同記事では、エルドアン首相がデュッセルドルフで行った演説において、首相の演説を聞きに来た1万人が「トルコはあなたを誇りに思う」と歓声を上げたと報じられ、エルドアン首相の演説からの引用も掲載された。
ベルリンで発行されるB.Z.紙も、「騒ぎを起こしにやってきた」という見出しの記事において、エルドアン首相がトルコ人のドイツへの調和に関する議論に火をつけたと報じた。
フランクフルター・ルントシャウ紙は、「まずはトルコ語か、それともドイツ語か」という見出しの記事の中で、エルドアン首相の演説がドイツ政府の連立政党によって批判されたと報じた。
同記事では、特に「トルコ人の子供たちはドイツ語を勉強する必要があるが、それ以前にトルコ語をしっかり勉強する必要がある」というエルドアン首相の発言が大きな反発を生んだと報じられ、多くのドイツ政治家が、ドイツ在住トルコ人はまずドイツ語を勉強する必要があるとの見解を述べたと伝えた。
キリスト教民主同盟(CDU)所属のドイツ連邦議会議員で、外交委員長のルプレヒト・ポレンツ氏は、同紙に寄せた声明の中で、エルドアン首相に対する批判には同調しないと述べ、多くの言語学者は、移民の子供たちは生活している国の言葉よりも先に母国語を勉強する必要があると主張していると述べた。
■ポレンツ委員長、エルドアン首相に対する批判に同調せず
ポレンツ委員長はエルドアン首相の演説に批判すべき点はないと述べ、エルドアン首相はトルコ人に対して良い教育を受け、キャリアを積むよう呼びかけたと述べた。
ポレンツ委員長は、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)会派会長のフォルカー・カウダー氏が、トルコでは言語の自由が完全には保障されていないという理由でトルコのEU加盟交渉の停止を望んでいることも批判し、トルコにおけるキリスト教徒が置かれている状況の改善のためにも交渉の継続が最も正しい方法であると述べた。
ハンブルガー・アーベントブラット紙は、「エルドアン首相への怒り」という記事で、エルドアン首相がデュッセルドルフで1万人のトルコ人に向けて行った演説の中で、「トルコ人の子供たちはドイツ語を勉強しなければならないが、それ以前にトルコ語を勉強しなければならない」との発言が多くのドイツ政治家たちを怒らせたと伝えた。
欧州議会の社会主義系会派のマーティン・シュルツ氏は、同紙に寄せた声明の中で、エルドアン首相がドイツで選挙運動を行ったことは受け入れられないと主張し、「エルドアン首相がドイツで行ったことは、調和とはかけ離れたものであり、むしろ内政向けの演説であつた」と語った。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:21678 )