トルコ、イラン、シリアで実施された(PKKに対する)効果的な掃討作戦によって新しい手段を模索しているPKK(クルド労働者党)が、リビアやエジプトのデモを例に挙げてイラク系クルド人たちに自治政府に対する蜂起をけしかけていることが明らかにされた。
イラクのスレイマニエで先週KDP(クルド民主党)とKYB(クルド愛国同盟)地方支部のビルが攻撃された事件で、事件を主導したとされるテロ組織幹部、ファイク・グルピが逮捕された。
ハラブジャ行政裁判所で公判が行われ逮捕が確定したグルピは、スレイマニエでKDP事務所を襲撃したのに加え、エジプトおよびリビアでのデモ活動を受け、イラク系クルド人たちを扇動しKDPやKYBに対する抗議活動を組織したとして逮捕された。
PKKによって先週行われたKDPおよびKYBに対する抗議活動では4人が死亡し、200人近くが怪我を負った。KDPとKYBに属する地方治安局によって、スレイマニエ以外のランヤ、ケラル、キフリ、デルベンディハン、コイサンジャク、ペンジェヴィン、チャルコルナ、ハラブジャ、ハルベトで、イラク系クルド人を自治政府に対する反乱につながるような抗議活動を組織したと明らかにされた、テロ組織幹部のファトマ・S、ペルヴィン・A、ザナ・R、フアト・M、マフムト・A、ヘヴィ・Hが拘束され刑務所へ送られたという。
KYB政治部門のスポークスマンであり、出版部門責任者であるアザド・ジュンディヤニ氏は、先月スレイマニエで出版された「クルディスタン NWE」という新聞に掲載されたコメントで、PKKが停戦期限を延長することや無条件で武装解除することは、クルド人とPKK双方にとって正しい選択であると述べ、以下のように話した。
「PKKが新しいテロ活動を始めた場合は一切利益を得ることはできないだろう。逆に大きな損害を被ることになる。PKKが再び武装活動に向かうことの最も大きなデメリットは、クルド人が受けることになる。PKKの再武装は、トルコ軍のPKKに対する掃討作戦に大きな機会と口実を与えることになる。PKKが選ぶべき最も正しい選択は、武力行動を再開しないことである。さもなければ、トルコ軍は各方面から支持を集め、より徹底した姿勢で対抗するだろう。」
イラクのクルド人自治区で治安活動の責任者を務めるマム・ロステム氏は、「トルコやイランで2、3人の兵士を殺したところでクルド人の自由は獲得できない。PKKの武装活動は、トルコに住むクルド人だけでなく、イラクのクルド人にとっても、安全や将来を危険にさらずものである」と言い、PKKに警句を発した。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:21687 )