タハリール広場での金曜礼拝で「エジプトのために闘いぬく者たち」という計画を説教師が呼びかけ
2011年03月04日付 Al-Ahram 紙

■タハリール広場での金曜礼拝で「エジプトのために闘いぬく者たち」という計画を説教師が呼びかける
コプト・キリスト教徒の活動家は団結を、そして革命の成果を守ることを訴える

2011年3月4日 『アル=アハラーム』紙

オマル・マクラム・モスクのイマームであるマズハル・シャーヒーン師は、タハリール広場で行われたアスルの礼拝を兼ねた集団礼拝で、数万人のエジプト人を前に導師の役割を務めたのだが、その際、「エジプトのために闘いぬく者たち」という作戦を打ち上げた。この作戦はそうすることが可能な者に対して、エジプト経済の保護を目的として自分の給料の一部を提供することを、また新政権に対してはその額を定めるための用紙を配布するよう求めたものである。

師は実業家に対し、エジプト経済を支えるために、エジプトの株や債券を購入するよう訴えた。また生産活動が動きだし国家経済が復興するよう、無期限のストライキは中止するようにとも訴えた。その際、エジプト人の未来をあらゆる脅威から守るべく、革命はエジプトとナイルの安全を可能な限りのすべての手段で守り抜くと語った。

マズハル・シャーヒーン師は軍が存在しなければ革命は成功しなかったであろうと、1月25日革命におけるエジプト軍の役割を高く評価した。そして軍に対し次のことを求めた。それは、国家安全機関の解体、前政権に任命されたすべての保守派の解任、(エジプトの)公的な空間を腐敗させた国民民主党の完全な解体、偉大なる革命の際に逮捕された人々の即時の釈放といった革命の闘士たちのすべての要求に関し、その実現のための行程表を明確にすることである。

この礼拝に参加した人々は、エジプトの司法とアズハルが独立性を持つよう訴えた。アズハルはかつて(独立性を持っていた)時代に戻らなければならないと。同時に人々は、キリスト教会を守るためにシェヌーダ総司教とともに一丸となることを確認し、「祝福されよ わが民エジプト」というキリストのことば(*イザヤ書19:25)を引いた。

また礼拝に参加した人々は、エジプトのすべての人々がリビアの同胞と連帯することを確認し、リビアの人々に要求が実現されるまで権利を求めて闘いぬくよう訴えた。

数万と見られる礼拝の参加者のすべてが、イサーム・シャラフ新首相が革命の要求を実現しようと努力する限り、その仕事を支援していくことを確認した。そしてエジプトの歴史では、(1952年の)7月革命以後初めて、民衆の意志による首相が就任したという事実について指摘した。

コプト・キリスト教徒の政治的活動家であり、文筆家でもあるハーニー・ハンナー博士はタハリール広場のデモ参加者にエジプト人の団結と革命の成果を最後まで守り抜くことの必要性を訴えた。

金曜礼拝のあと、タハリール広場で行った説教のなかで、アジーズは政治家や要人の腐敗について語った。頭が腐敗すれば体も腐敗するものであり、この国において過去数年間腐敗が増え続けてきたのはそういうことだと述べた。また虚言、不正、規律の崩壊といった問題も同じであると。

またアジーズはすべてのデモ参加者に、神がエジプトから腐敗をなくすよう祈ることを呼びかけた。

<複数のモスクの金曜礼拝で、説教師およびイマームが働くこと、そして風評と戦うことの必要性を強調>

複数のモスクの金曜礼拝で、説教師およびイマームが1月25日革命の成果を大切にすることの必要性を訴えた。それは働くことに集中し、成長計画を支援し、風評と闘い、社会の進歩を阻害する悪しき習慣を捨て、力を合わせ、社会を成長させ、勧善懲悪(というイスラムの義務)を実践することによってである。そうすればエジプトはその力と安全と安定を取り戻すであろうと。

アズハル・モスクのイマームであり説教師であるサラーフ・ナッサール師は自由と変革の概念について強調した。イスラムでは自由は無制限に認められるものではなく、混乱が起きないよう、無限定のものではないということである。また社会における変革はより良い方向へ、そして段階的に行なわれるべきであり、コーランおよび預言者の慣習に例に従ったものでなければならないが、それによれば自由には規範が伴い、そのなかには信条の自由も含まれるとも語った。

またアルコールの禁止や礼拝の義務など(宗教的な)勧善懲悪の実施は段階的に行なわるものであると指摘し、社会に分裂と不安をかきたてるような悪しき影響を及ぼす風評に注意を促した。

アズハルのイスラム研究アカデミーのメンバーであるアブドゥッラー・バイユーミー博士は金曜の説教のなかで、1月25日革命の成果からできる限り学ぶべきであると訴えた。自身を向上させ、悪しき堕落した行為から遠ざかり、善行を勧め、祖国を改革、繁栄させ、そして社会の前進を生み出す包括的な成長のために尽力すべく仕事に戻ることが必要であると。加えて、賄賂や腐敗など社会の動きを阻む否定すべき行為には警告を発した。

アズハル・モスクの元イマームであるイード・アブドゥルハミード師は、その説教のなかで、抑圧と腐敗に立ち向かうこと、そして社会、および商工業の発展のための計画に尽力すること、また社会基盤を再建するために労働し真剣に働くことの必要性を強調した。さらに師は、イスラムは社会改革を目指すなかで、現世で求められるものと来世で求められるものの間に、また精神と肉体の間に均衡のとれた配慮を行うことを指摘した。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:21715 )