イスラエル報道:リビア系イスラエル人に秘密裏に資金提供の試み
2011年03月04日付 al-Quds al-Arabi 紙

■報道:アル=カッザーフィはリビア系イスラエル人に政党組織のため資金提供を試みた

2011年03月04日『クドゥス・アラビー』

【テルアビブ】

イスラエル紙『エルサレム・ポスト』は、リビアのムアンマル・アル=カッザーフィー(カダフィ)元首がリビア系イスラエル人に対し政党結成のため資金提供を試みていたと報じた。

リビア系ユダヤ人世界連盟会長メイア・カハローン氏が同紙に語ったところによると、リビアは秘密裏に、リビア系政党結成のため、金額は明らかにされていないが同氏に資金提供を申し出たという。

カハローン氏が明らかにしたところによると、2005年から2007年の間に、同氏と連盟メンバー2名が、リビア政府代表と面会するため密かにアンマンへ渡航した。会談ではリビアにおけるユダヤ教徒の資産に関連した問題が話し合われた。

テルアビブに住むカハローン氏によれば、リビア政府はイスラエル居住者に直接資金を提供するわけにはいかないが、同氏らがリビア系政党結成に同意すれば資金を供与する意図があったという。

また、同氏によれば、匿名のリビア高官はその金額についてははっきりと言わなかった。リビア系ユダヤ教徒は20万人にのぼり、その殆どがイスラエルかイタリアに住んでいる。彼らは数十年にわたり、親族が捨てることを余儀なくされた資産に対する賠償を求めてきた。彼らは1940年代初頭にリビアから逃れた、あるいはリビアを追われた人々である。リビア政府は国際機関などに提訴される彼らへの賠償を求める声を無視してきた。

カハローン氏によれば、2005年に匿名のアラブ・イスラエル議員を介して、リビア系ユダヤ人世界連盟とリビア外務省高官との会合の場が設けられた。それが初めてのことであり、リビアが同国を逃れたユダヤ教徒らに補償を行うという希望が現れ、会合は2006年、2007年にも開かれた。

カハローン氏の記憶によれば、リビア高官が、その日はサイフ・アル=イスラーム氏の誕生日で、彼はイスラエル女性歌手で時々アラビア語でもうたうザーバ・ベン[Zehava Ben]が好きだと言ったので、その次の会合で同氏は彼女のアルバムを一枚持って行き大佐の息子に渡してくれるようにと贈ったという。

最後となった三度目の会合は2007年であったが、リビア首脳部に非常に近いというその高官は、イスラエルに対する通商禁止取りやめに向けた手段としてリビア系政党設立を提案したものの、その要求は拒否された。

カハローン氏は、「イスラエルには数々の政党があるが我々は一つの国民である。どんな状況下でもリビア系政党を組織することはできないとリビア高官に告げた」と述べた。

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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:21717 )