占い師の男が〔人知を超えた世界について語ることのできる〕「霊媒」を装い、〔‥‥〕問題を解決するとの口実で「カモ」となった犠牲者たちを騙し、ゆする事件が起きた。
本誌の取材によると、ある女性がテヘラン警察捜査課を訪れ、男を詐欺・ゆすりの容疑で訴えたことがきっかけで、この占い師の男の闇の活動が明らかとなったとのことだ。
被害者の女性は警察に対し、「私の子どもは神経症にかかり、治療に奔走しましたが治りませんでした。ある日、テヘラン北西部の自宅近くのある公園で中年の女性と知り合い、悩み事を打ち明けました。彼女が私の息子の病気のことを知ったのは、この時でした」と述べた。
被害者は、「中年女性は、私の抱えている問題を解決するカギは、ある占い師の男の手のなかにあると言いました。彼女は、占い師の処方により、病気の夫が数週間で回復したとさえ言いました。そこで私は占い師の男と連絡を取り、その上で男の家に行きました」と続け、さらに次のように述べた。「占い師の男は60万トマーン〔約5万円〕を受け取ると、処方箋を書き始めました。そしてその処方箋を水に溶かし、毎晩1週間にわたって、それをコップ一杯分、子どもに与えるよう、指示しました」。
被害者は続けた。「この間、息子の病気は治りませんでした。それから何度か、占い師の男の家に行きましたが、新しい処方箋も効き目はありませんでした。そこで男に抗議すると、男は『占い師のところに行って、処方箋を買ったということを旦那に知られたくなければ、金を出せ』と脅し、私からお金を巻き上げたのです。良心の呵責に嘖まれ、占い師を訴えることを決心しました」。
この訴えを受け、このずる賢い詐欺師逮捕へ向けた警察の捜査が始まった。すると、そのほかの女性らも次々と警察署を訪れ、詐欺とゆすりの容疑で占い師の男を訴え始めた。
警察は、逃亡中の容疑者のCGを作って男の捜索に着手、その結果先週ついに、容疑者がテヘラン北西部にある自宅にいるところを逮捕した。占い師の男の自宅を家宅捜索したところ、馬の蹄や〔占いに使うものと思われる〕本数冊、開運の処方箋数十枚、及び相談にきた人たちの名簿などを発見、押収した。
アブドルハミード容疑者は取り調べて、警察に対し「麻薬中毒の女が、麻薬を買う金欲しさに、私の家に掃除夫として来ていました。ある日、私は彼女に公園やショッピングセンター、バス停、地下鉄などで問題を抱えていそうな女性たちを見つけ出し、私に紹介してほしいと頼みました」と供述した。
容疑者は、「女性たちは掃除夫の女から得た情報をもとに、家庭や出会い・縁結び、病気、就職などの問題を解決したいと、私の家にやって来ました。私も自分のことを霊媒師だと名乗って彼女たちをだまし、インチキ処方箋を売っては若い女性たちからお金を詐取していました」とも述べているという。
容疑者はまた、「これらの処方箋で彼女たちの問題が解決されず、今まで支払ったお金を返してほしいと要求されたこともありました。その場合は私も、家族の人にこのことをばらしてやると言って彼女たちを脅し、ゆすりを行っていました」と自供している。
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( 翻訳者:小原智恵 )
( 記事ID:21809 )