ユルドゥズ・エネルギー資源相、「日本の原発事故によるトルコへの影響はなし」
2011年03月13日付 Yeni Safak 紙
タネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣は、日本の福島第一原子力発電所で起きた放射能漏れを、トルコ原子力協会が常に注視しているとした上で、「現在、トルコへの悪影響はないことは確かである」と述べた。
ユルドゥズ大臣は、日本での地震・津波後に福島第一原発で起きた事故を受け、トルコ原子力協会が設置した対策本部を視察し、最新情報を得た。ユルドゥズ大臣の視察時には、スィノプに建設予定の第二原子力発電所に関する技術的協議のためトルコに滞在している日本代表団もいた。
ユルドゥズ大臣は視察後、報道関係者に向け発表を行い、このような大災害時には情報の混乱が頻発するため、健全な情報伝達に注意する必要があると述べた。
ユルドゥズ大臣は、日本の原発で起こった放射能漏れのトルコへの影響は今のところ見られないことを強調し、トルコ周辺の99地点で行われている観測がオンラインシステムで危機管理センターに伝えられており、そこにも影響を示すようなデータは来ていないことを明らかにした。
日本の気象庁が、地震の規模をマグニチュード9.0に修正したことに触れユルドゥズ大臣は、「これは、地震がいかに巨大なものであったかを示している。今まで世界で観測された最も大きな5つの地震のうちのひとつである。地震の影響については、津波の影響も加えると非常に深刻な影響があったと我々は見ている」と語った。
ユルドゥズ大臣は、福島第一原発が1971年に建設されたと述べ、以下のように続けた。
「福島第一原発の冷却装置への悪影響は、地震よりも津波に原因があったと先ずは見ることができる。その上でこれらの情報を、我々が慎重に国際原子力機関から得た情報を、世論と共有しているところである」
「福島第一原発での事故は、特に世論ではチェルノブイリと比べられている。我々はチェルノブイリとは状況が異なっていると見ている。なぜならばチェルノブイリでは核反応が続いてしまったが、福島ではこの反応が止められたという情報が得られた。これは重要な情報であると私は考える。その上で、今まで海水による冷却によって、特に14個の冷却装置の代わりに冷却作業が行われているとの情報が来た」
■トルコ沿岸での津波の危険はない
ユルドゥズ大臣は、トルコではマルマラ海でも地中海でも津波の危険がないことが専門家らによって明らかにされたことを強調し、さらに福島第一原発が第一世代の発電所であり、トルコで建設が予定されている原発は、第三世代の発電所であることを明らかにした。
ユルドゥズ大臣は、「特に1986年のチェルノブイリ原発事故にともない設計者らは、科学技術の進歩において安全を最優先した。つまり、原発自体と同じくらい特に安全システムに割いた部分もある」と述べた。
ユルドゥズ大臣は、問題の事故から生じるものはあらゆる分野に関係することであり、これらを注視し続けていると付け加えた。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:21813 )