タハリール広場でパレスチナ人を父にもつ子供にエジプト国籍を求める集会
2011年03月21日付 al-Hayat 紙
■カイロ:パレスチナ人男性と結婚したエジプト人女性らが子供にエジプト国籍付与を求める集会
2011年3月21日『アル=ハヤート』
【カイロ:ジーハーン・アル=フサイニー】
パレスチナ人男性を夫に持つエジプト人の母親数百人が今日〔21日〕、エジプトの母の日に合わせて抗議表明を行うために、子供らを伴ってカイロのタハリール広場に集まっている。この抗議集会で母親らは、自分の子供達にはエジプト国籍が付与される権利があると訴えている。
エジプト人の母とパレスチナ人の父を持つ子供たちが、SNSサイト「フェイスブック」上にページを開設し、同じ境遇の子供たちとその母親らに向けて21日にタハリール広場に集まるよう呼びかけた。またページ開設した子供たちの母親は、母の日を機に、パレスチナ人男性と結婚したエジプト国籍の母親を非エジプト人男性と結婚したすべての母親らと平等に扱い、その子供たちにエジプト国籍を付与するよう訴えている。こうした子供達の一人が「フェイスブック」の自分のページに次のような書き込みをしている。「僕たちはエジプト人の母の子供なのに、醜いアヒルの子供で、エジプト国籍を奪われた者だ」
2004年にエジプトの国籍法145条が改正され、エジプト人の妻と外国籍の夫との間に生まれた子供に母親の国籍を付与することが出来るようになったにもかかわらず、パレスチナ人もしくはパレスチナに血縁関係やルーツをもつ他国籍の男性と結婚した女性はこの権利を享受する事が出来ない。さらにパレスチナ人男性と結婚したエジプト人の母親はいかなる状況下でも、つまり離婚したり未亡人になったとしても、子供にエジプト国籍を与える事が出来ない。この規定は、彼らの「パレスチナ人」としての第一のアイデンティティーを保護する為に、彼らに居住国の国籍を付与しないとする1950年代に出されたアラブ連盟の決定によって正当化されている。
また、2006年にはエジプト最高行政裁判所が、エジプト人女性とパレスチナ人男性の間に生まれた子供はエジプト国籍を享受する権利があると確認する判決を出しているにもかかわらず、同判決の執行は例のごとく正当化や言い訳の声に妨げられている。こうした声の中には、このような子供たちが、特にパレスチナの地で暮らすことが出来ない間にパレスチナ人としてのアイデンティティーや帰属意識を失う恐れがあり、このことがパレスチナの大義に悪影響をもたらす、との意見がある。
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( 翻訳者:片山満祐子 )
( 記事ID:21889 )