ブーシェフル原発は、第二の「フクシマ」にはならない
2011年03月16日付 Jam-e Jam 紙
ここ数日、海外メディアは、福島原子力発電所で起きたような爆発事故が、ブーシェフル原発でも起きるのではないかという可能性について論じている。しかし、本当にあのような事故がイランで起きる可能性があるのだろうか?
(中略)
ブーシェフル原発と福島原発は、立地という点で類似している。いずれも、海岸に建設されており、原子炉から放出される水蒸気(余剰熱)の冷却に海水を利用するという仕組みをもつ。構造の点で違いがあるとはいえ、基本的な仕組みは共通している。
福島原発の事故の最大の原因は、地震でもマグニチュードの大きさでもなく、津波によって冷却装置が機能不全に陥ったことだ。そのため、問われるべきは、つぎの点であろう。ブーシェフル州でも、マグニチュード8から9の地震が起こり、それが日本の大津波と同等の津波を引き起こす可能性があるのだろうか? そして、ブーシェフル原発を破壊していまうのだろうか?
(中略)
・ブーシェフル周辺には4つの主要な断層がある。また、ブーシェフル原発は、カーゼルーン地震帯から110キロ、フィールーズ・アーバード地震帯からは170キロ離れている。
マグニチュード4から5の小さな地震を別にすれば、同地域において大地震を発生させる活断層は、ブーシェフル原発周辺には見当たらない。
それでも海外メディアの主張を受け入れ、2世紀に一度は起きるという大地震の可能性を考え、マグニチュード7程度の地震が起きたとした場合、それでもなお、原発を機能不全に陥らせ、さらには破壊するには不十分である。
日本では、マグニチュード9の地震が発生し、福島の原子力発電所が被害に見舞われた。しかしこれに匹敵する災害は、ブーシェフル州の観測史を見る限り、この数千年間起きてはいない。また、このような問題は、原子力エネルギー庁長官のアクバル・エエテマードによれば、ブーシェフル原発建設時にすべて検討済みである。
しかし、ブーシェフル原発は、いかにしてこのような大地震に耐えうるのだろうか?
想定される地震に対し、ブーシェフル原発の安全性確保のため、すべての施設は、ゴム製の衝撃吸収帯の上に造られている。また、この衝撃吸収帯は、112インチ(2.8メートル)の厚さのプラスチックのうえに敷かれており、マグニチュード8までの地震の衝撃に耐えうるものである。
ブーシェフル原発には、外側にさらにもうひとつの防御壁がある。このような安全防御策は原子力開発以外のいかなる施設にも見られない。現在の技術でも、原子力発電所の安全を100パーセント保証する施設は存在しないが、新しく建設される原発が受ける被害は、他分野の技術施設が受ける被害よりは軽微なものにとどまるであろう。
(中略)
結論として、すべての原発はIAEAの監視下で稼働しているという一点に尽きる。安全性を危惧する)海外メディアが、IAEAを受け入れているならば、また、IAEAがイランと結託しているようなことはないと信じられるならば、である。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:前田君江 )
( 記事ID:21915 )