省庁改革へ政府に「スーパー権限」―8つの国務大臣担当省廃止へ
2011年03月28日付 Zaman 紙
国務大臣担当省廃止へ
政府は選挙が近づく中で驚くべき一歩を踏み出した。省庁の抜本的改革に向けてトルコ大国民議会(TBMM)に対し権限を要求したのである。
政府は、「スーパー権限」と名付けられた民法判例法(KHK)の発令権限を要求し、これにより国務大臣担当省を廃止に追い込もうとしている。これにより、現存8つある国務大臣担当省は姿を消すことになる。替わりに新しく執行権限を持つ省庁が設立される。新設される省庁の数は4もしくは5となる見込みで、候補となっている名称は、公安省、女性・家族省、スポーツ省、国外サービス省、社会支援省、情報通信省である。公正発展党(AKP)政権下で統合された文化観光省と労働社会保障省の再分割も協議される。
トルコ大国民議会(TBMM)に対する6ヶ月間のKHK発令権限の要求を含めた法案が国会を通過すれば、政府は法整備を待たずKHKにより省庁改革を行えるようになる。現政権は選挙前での決着を望んでおり、機能不全に陥っていると見ている国務大臣担当省を、広範な予算を備えた執行権限のある省庁へと変える考えだ。現在、内閣には8名の国務大臣がおり、うち3名は副首相を兼務している。国務大臣担当省の廃止は他省庁にも影響する。 新しく設立される執行権限をもつ省庁には、現在ある省庁の関連部署も統合される。この改革で、これまで別に予算を持たないことから国務大臣担当省が経験してきた困難もなくなる。現在、国務大臣担当省は、首相府に所属し予算支出を首相府事務次官が最終決定する組織の責任者でありえた。組織改革により、首相府に属する組織の数は減ることになる。参謀司令本部や国家諜報機構(MİT)以外の組織は、新設の執行権限を持つ省庁に移管される。
憲法では、TBMMは閣議に対し、法的権限により民法判例法の発令権限を与えることができると定められている。世間で「スーパー権限」と呼ばれているこの権限の効力期間は、選挙による制限を受けない。KHKの権限は、国会を通過した後に政権交替があったとしても6ヶ月間用いることができる。この権限の行使は、故トゥルグト・オザル元大統領の政権下で頻発していた。90年代以降、発令権限の要求は憲法裁判所で却下された。ビュレント・エジェビト政権下では、発令した20のKHK権限のうち18が、同じく却下された。AKP政権は今回はじめてこの権限を要求する。野党からの反発が予想され、党内でも否定的な声が上がっている。ある与党幹部は、「要求を行うタイミングを見誤っている。また、これは、大統領公選制への移行を難し、議会システムを強化するものだ。故オザル大統領は、大統領公選制を求め国務大臣担当省の制度を支持していた」と述べた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:21968 )