CHP、憲法改正へ向けての試み
2011年03月31日付 Milliyet 紙

新憲法制定のため様々な試みを行っている共和人民党(CHP)のバトゥム副党首は、国家安全保障会議(MGK)が廃止され、首相が必要とした場合、文官および軍人らを招集することも可能となると語った。

バトゥム副党首は大学内でスカーフ着用可能となるための3つの条件を掲げ、「他人の権利と自由を侵害しない、世俗国家の原則に反しない、公共の秩序に反しないという条件で、頭を覆うことができます。つまりあえてだれも『私の宗教がこれを命じているのです』と言ってはいけないし、誰かに圧力をかけてもいけないのです」と語った。

共和人民党(CHP)の憲法改正のための試みを行うシュヘイル・バトゥム副党首は、政党が憲法草案を準備することには反対であると強調し、「政党は自らの原則、考えを示します。憲法は市民社会と他の政党との話し合いにより、全体の中で準備されるものです。しかし草案を練り、「私の仕事はこれです」と言ったりすることは正しいことではありません。政治家は、ただ一連の原則を示すべきなのです」と話した。

■草案作りは共和人民党(CHP)の公式活動ではない

バトゥム副党首は、「私たちの活動を党会議に伝えるつもりです。市民社会と共に憲法を提示しなければなりません。婦人団体、アレヴィー派団体、その他あらゆる分野の代表者らから意見を聞き、準備されるべきなのです。私としては、憲法は憲法制定会議が作るべきです」と述べた。

バトゥム副党首は、活動は共和人民党(CHP)の公式活動ではなく、草案を党会議(PM)、市民団体(STK)に送った後、一番遅くて5月20日に明らかにされると述べた。

バドゥム副党首は、共和人民党(CHP)が進めているものの、まだ確定していない活動を説明し、憲法改正活動において、国民の概念が変更されうると話した。バトゥム副党首は、「トルコ国民はトルコ共和国国籍をもつ者により構成される」という見解に反対を示す者も出うると述べ、次のように述べた。「始めの4つの条項が撤廃されることに、また『アタテュルク』と『トルコ人』という表現が完全になくなることにも私は反対です。国籍という紐帯で結びついている全ての人がトルコ共和国国民であると言えましょう。ある国の一員であること、すなわち国民が、いかなる紐帯により形成されているかが重要なのです。国民と言うと、エスニックな民族的基盤に基づいていると言われます、『私のことを考えていない』と言われます。国籍は、法的な結びつきです。国民であることを、民族や宗教に基づくものではなく、人間としての尊厳への尊重、基本的権利や自由に対する尊重、国家への尊重、法治国家への尊重として理解すべきです。『トルコ人』という単語が出てくることに反対しているのではありませんが、『トルコ人』の定義が取り消され、『トルコ共和国国民である』ということが可能なのです。これは私の意見です」

■世俗主義の定義をより明確にすべき

バトゥム副党首は、世俗主義の定義の変更を望まないが、定義の基礎を改善することが必要であると述べ、「世俗主義の古典的な定義は、宗教と政治を分離させることとされています。定義をより明確にしなければなりません」と話した。バトゥム副党首は、「何十年も様々な定義がなされています。定義を変更しようと言っているのではありません。国家は宗教的規則に支配されるべきではありません。宗教と政治の境目をきちんととる必要があります。宗教と国家は異なります。古典的な定義が機能的な状態になるように定義されることが必要なのです。『私の宗教が命じている』と言って規則を決めてはいけません。それは世俗主義に反しています」と話した。

■クルド語は選択授業になるように

バトゥム副党首は、母語での教育ではなく、母語授業が憲法に盛り込まれうると述べ、「教育言語はトルコ語です。母語での授業は選択授業となります。母語教育はありえないのであり、選択授業ならよいです。全てクルド語で教育されることに私たちは反対しています。例えばある学校がトルコ語である学校がクルド語の学校になるというようなことはないのです。母語と言う理由は、『私はチェルケス語を学ぶつもりだ』というなら、これにも許可を与えるためです」と言った。バトゥム副党首は、宗教文化の授業も必修の必要性がないと述べ、「政府のコントロールのもと、宗教授業を受講したいものは受講し、受講を望まないものは取らなくてよい。宗教文化の他にコーランクラスも開くことも可能です。この教育も宗教的原則によってではなく、世俗国家の枠内で行われるべきです、これらを宗教共同体の管理にまかせてはいけません」と話した。

■スカーフの条件

バトゥン副党首は、世俗主義国家で、誰も「宗教が命じている」といって規則を定めることはできないと述べ、大学でのスカーフにまつわる問題が、この理由で起きていると話した。バトゥン副党首は、「大学で、他人の権利と自由を侵害しない、世俗国家の原則に反しない、公共の秩序に反しないという条件で、ファッションとして頭を覆うことができます。つまり他人を不愉快にしたり、スカーフをかぶっていると言って圧力をかけてはいけません。『宗教が命じている』と言ってそれに固執しないことです。公共の秩序という観点から黒いチャドルで歩くことはできません。宗教的指示ではなく、個々人の自由として状況を考えなければなりません」と言った。バトゥム副党首は公的な場ではスカーフはあまり好まれないと語り、「役人は、無色透明な存在として見られなければなりません」と言った。

■国家安全保障会議(MGK)は廃止されるべき

バトゥム副党首は、トルコ参謀本部が国防省に属すことは議論の余地があると話し、「高等軍事評議会(YAŞ)の決定が文官にも受け入れられるという問題についても議論の余地があるでしょう。国家安全保障会議(MGK)を廃止しようと考えています。これは何に役立ちますか?何を助言していますか?首相が必要であるとした場合、文官および軍人を招集し、彼らの考えを聞くのです。これらの件すべてについて議論します」と語った。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:21989 )