リビア打開へ、エルドアン提案
2011年04月07日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、公正発展党総本部でリビアに関する会見を開いた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、リビアでの事態に関してトルコが準備したロードマップの概要を明らかにし、「直ちに真の停戦を実現させ、カダフィ派の兵士は、いくつかの都市に対して行っている包囲攻撃をやめ、都市から撤退しなければならない」と述べた。
エルドアン首相は、区別なく、全てのリビア人に継続的な人道支援を行い、安全地帯を設定する必要があると述べ、リビア人の法的利益を考慮した包括的な民主的変化と転換のプロセスが直ちに、緊急に開始されることが必要であるとした。
エルドアン首相は、リビアでの事態に関して、公正発展党総本部で行われた記者会見の場で、トルコの(行っている)交渉について情報を提供し、「リビアの全国土と統治権を守り、平和的な転換のプロセスに導くロードマップについて協議した」と述べた。
エルドアン首相は、提案したこのロードマップの要点を以下のように説明した:

「1-直ちに真の停戦を実現し、カダフィ派兵士は、いくつかの都市に対して行っている包囲攻撃をやめ、都市から撤退しなけれ ばならない。
2-区別なく、全てのリビア人に継続的な人道支援の手を差し伸べ、安全地帯を設定しなければならない。
3-全てのリビアの人々の法的利益を考慮した、包括的な民主的変化と転換のプロセスが、直ちに、緊急に開始されなければならない。このプロセスの目的は、国民の自由意思で指導者を選ぶ立憲民主制を確立することである。
我々は、この枠組みにおいて、リビアで真の停戦を実現し、政治転換のプロセスを始めさせる方向で、このロードマップの詳細を詰めています。このロードマップを、詳細な形で議論するため、各方面との交渉を進めていきます。
国際社会をリードする(NATO)加盟国によって作成されたこの計画は、カタールで行われる予定のリビア連絡調整グループ会議を前に、国連、EU、アフリカ連合、アラブ連盟、イスラム諸国会議機構といった地域的、国際的諸組織に参加しているパートナー達と共有する予定です。
我々は、この全ての取り組みにおいて、アル・ハティーブ リビア国連特使が基幹的な役割を担う必要があると考えており、彼との緊密な連携、協議の中で努力を続けます。
我国民は、常に同胞であるリビア国民のそばにおり、リビアの将来のためにリビア人の兄弟たちと共に行動します。」

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、「同地域でおきている人類の悲劇に対して傍観者を決め込み、民主主義をリビアの人々には過分であるとみなす権力者たちが、今日、権利と法を擁護するトルコに対して誹謗中傷キャンペーンを始めさせたことを残念に思います」と述べた。エルドアン首相は、「この誹謗中傷キャンペーンの背後に、どの勢力があるかを我々は知っており、注視しつつ、これらを書き留めています」と話した。
エルドアン首相は、公正発展党総本部で行われた記者会見で、リビアにおける直近の状況に言及した。
エルドアン首相は、ミスラタにおける激しい戦闘で負傷したリビア人を治療する目的で病院船に改装されたフェリーボート・アンカラ号を派遣したことに触れ、以下のことを述べた:

「ベンガジに寄港し、そこにいた負傷者をのせた船は、負傷者321人、合計475人をイズミルのチェシュメ港に移送しました。この作戦は、誰も容易とはみなさない条件の中、大きな安全上のリスクにさらされながら、我々の兵士と民間人によって実現されました。負傷者の手当ては今も病院でつづけています。彼らは全員、回復するまで我々の客人として我国にとどまる予定です。この支援作戦は今後も続けます。」

エルドアン首相は、トルコとして、国連安全保障理事会がリビアに関して採択した国連決議1970号と1973号をの適用を全面的に支持してきたとし、以下のように続けた:

「この枠組みにおいて、NATOの活動が、国連安全保障理事会の決議によって決定され、NATO委員会の合意のもとで承認された任務の指針に従い、有効な形で行われることを望んでいます。一方で、この活動の、武器の輸送禁止措置と人道支援の提供の部分については、我々は積極的に参加しています。
リビアで真の停戦が実現された後に、立憲民主制の確立に向けた政治的転換のプロセスが直ちに始められなければなりません。人々の合法的な期待と要望に応えうる政治的プロセスの開始が、リビアの将来にとって重要です。この過程を、リビア国民の被害を最小限にとどめるかたちで達成することが、トルコとして、私たちのたった一つの望みです。」

■「…書きとめている」

またエルドアン首相は、「ベンガジの兄弟たちに呼びかけたいと思います」と述べ、以下のように言葉を続けた:

「(あなた方の)兄弟であるトルコ人は、あなた方の権利と自由の希求を心の底で感じ、あなた方に起きている困難を終わらせ、あなた方の要望を(今後の)プロセスに反映するために、多大な気配りを示しています。
当初から、権利と法を求める人々に対して行われた(軍事的な)介入を、我々は真剣に批判し、あなた方が晒された困難を克服するために、心からの努力を行ってきました。今後も、あなた方の正当な要求を支持し、あなた方が晒されている間違った状況を打開するために闘い続けます。この地域でおきている人類の悲劇に対して傍観者の立場で、民主主義をリビアの人々には過分であるとみなす権力者たちが、今日、権利と法を擁護するトルコに対して誹謗中傷キャンペーンを始めさせたことを残念に思います。この誹謗中傷キャンペーンの背後に、どの勢力があるかを我々は知っており、注視しつつ、これらを書き留めています。あなた方が、トルコの兄弟たちに向けられた、このような意図的なプロパガンダ活動に加担しないことを心から信じています。」

■「オマル・ムフタールの魂が喜ぶような…」

エルドアン首相は、「特に、我々がNATOの行動を妨害している、あるいは、軍事作戦を制限しているといった根拠のない主張は、意図的に生み出された悪質な偽情報であることを強調したいと思います。これを特に主張します。ご存知のように、トルコの国民は、常に正義と権利を支持しており、これからも支持し続けるでしょう」と話した。
エルドアン首相は、トリポリの人々に対しても話しかけ、以下のことを述べた:

「トルコは、リビアで起きている惨状ができる限り早く終わり、平和がもたらされ、統一と団結が確立されることを大変重要だとみなしています。リビアの国土の全てと統治権が、確実に守られなければなりません。兄弟の流血をとめるため、特にあなた方の態度が重要な意味を持っています。我々の文明がもつ価値から得られた鼓舞によって、この悲惨な状況に、あなた方自身が「ストップ!」と言えることを信じています。トリポリ、ベンガジ、ミスラタ、トブルク、エジュデビエ、ジンタン、ザヴィエ、セブハ、ブレガ(以上、いずれもリビアの都市)の兄弟たちにお願いします。我々も尊敬しているリビアを象徴する人物、オマル・ムフタール(1911-1931年、「リビア独立の父」)の魂が喜ぶようなかたちで、一つに、そして共にありますように。」

■リビアの指導者に向けて

エルドアン首相は、リビアの指導者に対しても話しかけ、以下のことを述べた:

「初めから私が言っているように、歴史の責任を取り、国民の自由意思によって指導者を選ぶ立憲民主制への道をどうか開いてください。
自国民と、国際社会の呼びかけに対して肯定的に応えることは、あなた方の国家の平安の観点から、きわめて重要です。行われた呼びかけに対して直ちに耳を傾け、必要な一歩を踏み出してください。」

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:22062 )