各党候補者名簿発表、激震―全540人の国会議員中、267人リスト外

欠員により現在540名の議員が所属する国会（定数550）において、各党の指導者は、計267名の議員を今期トルコ大国民議会（TBMM）へ迎え入れないことを決定した。公正発展党（AKP）においては、20名の議員が出馬し、エルドアン首相は167名の議員を候補者リストから除外した。よってAKP院内会派に所属する333名の国会議員のうち187名がリスト外となった。共和人民党（CHP）は、101名の議員のうち64名をリストから除外。民族主義者行動党（MHP）は72名の議員のうち27名をリスト外とし、改編は他党に比べ最も小規模に留まった。平和民主党（BDP）からは9名がリスト外となった。

AKPをはじめとしてCHPやMHPは、党を完全に再編成し、6月12日に行なわれる選挙に臨む。欠員により現在540名の議員が所属する国会において、各党の指導者は、計267名の議員を今期国会へ迎え入れないことを決定した。各党において大規模な刷新が行なわれるなか、AKPにおいて期待された「先輩たちに休息を」、「若手に休養を」といったプロジェクトは行なわれなかった。同党では20名の国会議員が出馬しなかった。これにエルドアン首相がリストから除外した議員を加えると、AKP院内会派に所属する333名の議員のうち187名がリスト外となった。AKPの著名な議員たちは、再びリストに名を連ねることができた。驚いたことに、セルマ・カヴァフ大臣、キュルシャド・テュズメン、ヒルミ・ギュレル、エディベ・ソゼンといった名前はリストに見当たらない。

■「聖域」はない。

CHPは、国会議員101名のうち64名をリストから除外した。この改編は、比率から見て諸党のなかで最大となった。同党の現職の国会議員からは37名がリストに載った。このうち29名が「当選の可能性がある」とされる位置に名を連ねた。10年間CHP事務局長を務め、「聖域」となっていたオンデル・サヴ氏の名前はリストになかった。MHPは、72名の議員のうち27名をリスト外とし、改編は他党に比べ最も小規模だった。MHPはシュメル・オラル氏のような中道右派政党出身の候補者を優遇してきたが、今回はより多くの女性候補者を起用した。バフチェリ（MHP党首）陣営の中核メンバーの面々は全員リストに名を連ねた。21名の国会議員を擁するBDPは、現職の議員のうち9名をリストから除外。同党からはハミト・ゲイラニ氏、ファトマ・クルトゥラン氏、ヌリ・ヤマン氏、オズダル・ウチェル氏、ウフク・ウラス氏、ネズィル・カラバシュ氏、オスマン・オズチェリキ氏、シェラフェッティン・ハリス氏、セヴァヒル・バユンドゥル氏らが候補者とならなかったが、一方でクルディスタン社会連合（KCK）関係者を優遇した。エルドアン首相は、最近の党会合においてディヤルバクル選出議員らに、「BDP党員たちは、毎日選挙区で活動している。あなたがたは『命の保証がない』と言って行こうとしない。果たして国会議員に選出されたときには命の保証があったのか？」と述べていた。首相はこの発言に込められた憤りを今回のリストに反映し、メフディ・エケル農業大臣を除く5名のディヤルバクル選出議員アブドゥッラフマン・クルト氏、クルベッティン・アルズ氏、イフサン・アルスラン氏、オスマン・アスラン氏、アリ・イフサン・メルダンオール氏をリストから外した。

■シェネル氏も無所属で

トルコ党（TP）のアブドゥッラティフ・シェネル党首も、スィヴァスから無所属で議員に立候補した。AKPが6月12日総選挙の候補者に選ばなかったズュルフィカル・イゾル議員も、シャンルウルファから無所属で立候補した。イゾル議員は、「私の家族や一族の要望により無所属で立候補した。今一族が、町全体が、反旗を翻した。6月12日には全てがよりはっきりするだろう」と述べた。青年党、人民向上党（HYP）、トルコ党は、高等選挙委員会（YSK）の決定により選挙に参加できない。よって投票用紙には当初発表された24党ではなく、21党が記されることになる。もしこの3党が選挙に参加していれば、投票用紙にはHYPが14番目、トルコ党が17番目、青年党が18番目に印刷されるはずだった。高等選挙委員会へ最初に候補者リストを提出したのは、トルコ共産党であった。

■投票用紙に18党

高等選挙委員会（YSK）のアリ・エム委員長は、18の政党が選挙に参加すると発表し、アルタナティヴ党、平等と民主主義党、青年党、人民向上党、トルコ党は選挙への不参加を決定したと明らかにした。また、エム委員長はこうした状況を受けて、投票用紙に記された政党名を（不参加となった政党名を除いて）右から左へ移動させることとし、4月19日に暫定的な候補者リストを官報に掲載すると述べた。

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（翻訳者:篁日向子）
（記事ID:22101 )