モスク問題調査センター所長「『降臨、極めて近し』のビデオCDは事実無根である」
2011年04月09日付 Jam-e Jam 紙

モスク問題調査センター所長のエブラーヒーミー氏は、「『降臨、極めて近し』のビデオCDを作成した輩は、なんらかの政治的党派に属していることは間違いなく、彼らは長期的な視野から人々を不信心にさせようと画策しているのだ」と語った。

 ドキュメンタリービデオ『降臨、極めて近し』に対して各方面から上がっている反発の声に続く形で、ハバル・オンラインとの会見に臨んだホッジャトルエスラーム・ホセイン・エブラーヒーミーは、さらに「このドキュメンタリー・ビデオの内容は事実からかけ離れている。この中で提示されている内容の正しさを支える根拠など何一つ存在しない。このCDの制作者たちがしでかした行為は、偉人らが伝えてきたわれわれの〔正統な〕伝承・ハディース〔※預言者ムハンマドやイマームたちの言行録〕の教えにも、根本的に反するものだ」と付け加えた。

 同氏は、「時のイマーム〔=終末の時に降臨すると信じられている第12代イマーム〕自身でさえも、降臨がいつになるかは知らないのだ。さらに言えば、世の終末について、ああでもないこうでもないと論ずる行為は間違っている、というのが我々の信ずるところである。これらはどれも誤った行為であり、根拠もなければ、事実にも反している」と語った。

 一方、このドキュメンタリー・ビデオの監督を務めたアリー・アスガル・スィージャーニー氏は、ビデオの内容や、そのなかで行われている〔終末の時に現れるとされるヒーロー「セイエド・ホラーサーニー」はハーメネイー最高指導者のことだ、といった〕照合作業に対する各方面からの批判に答える形で、「このビデオの中で、我々は一連の検証を、起こりうるものとして提示したにすぎない。可能性について言っているのだから、問題はないはずだ」!などと述べている。



訳註:『降臨、極めて近し』は2ヶ月ほど前からイラン国内に出回るようになった「ドキュメンタリー」ビデオCDのタイトル。インターネットでもダウンロードしたり、YouTubeで観賞することができる。

このビデオは、終末の直前に現れるとされる救世主マフディー(お隠れの第12代イマーム)の降臨の予兆(悪魔崇拝や薬物の蔓延などの世の中の堕落、アメリカによる対イラク攻撃をはじめとする世界情勢の混乱、度重なる天変地異など)が近年頻繁に見られるとする。

その上で、マフディー降臨の際に現れると一部の伝承で伝えられているヒーロー「セイエド・ホラーサーニー」はホラーサーン出身のハーメネイー最高指導者のことであり、一部の伝承に見えるホラーサーニー軍の若き司令官「ショエイブ・ビン・サーレフ」はアフマディーネジャード大統領、終末の時に現れるとされる青い目のアンチヒーロー「ソフヤーニー」はヨルダン国王アブドッラー2世のことだ、とする内容となっている。

このビデオCDが市中に出回っていることに対し、一部の高位の宗教指導者からは、マフディー降臨を予想することは誰にもできない、このビデオを作成した人たちが引用している伝承はいかがわしいものばかりだとして、批判の声が上がっている。

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( 翻訳者:米川千帆 )
( 記事ID:22120 )