各党、高等選挙委員会の新決定に安堵、「この代償は誰が?」
2011年04月21日付 Radikal 紙

平和民主党所属の政治家らは、高等選挙委員会が(レイナ・ザナらの)立候補を却下した決定を撤回する決定を下したことで、緊張は弱まるだろうと述べた。スッル・サクク副党首は、「この重い代償を支払う前に、この決定をすることができなかったのだろうか?この問題への対応に関し、トルコの人々に感謝する」と述べた。

高等選挙委員会が、平和民主党(BDP)が押す無所属の国会議員候補者、ギュルタン・クシャナク、ハティプ・ディジュレ、レイラ・ザナ、エルトゥールル・キュルクチュ、サバハト・トゥンジェル、サーリフ・ユルドゥズの異議申し立てを認め、候補者たちに(立候補の)許可を与えた。南東アナトリアで、(立候補却下後におきた騒乱を考えると)、「こんなことが起こらなければよかったのに」の一言である。

ドアン通信の記者がこの件についてインタビューした政治家たちは、「高等選挙委員会は過ちを改めた」との見解で一致した。

■ハシプ・カプラン(平和民主党、シュルナク選出国会議員)

高等選挙委員会は、大変深刻な法的、政治的間違いを撤回しました。この間違い(の訂正)は、国民の法的な抵抗の結果です。ただ単に候補者たちの立候補の禁止を撤回しただけでは、まだ選挙が民主的な状況下で行われると言う意味にはなりません。公正発展党の候補者たちは、警察の部隊を同伴し警護されながら選挙活動を行っています。これに対し我々は、催涙弾の脅迫の中で選挙活動を行っているのです。これほど辛い経験をし、(騒乱で)若い仲間を失い、この決定を与えられたというのは複雑です。本件についての本格的な検討は、党の方でされるでしょう。

■アルタン・タン(平和民主党系ディヤルバクル無所属候補)

よい結果となりました。トルコは大きな危機から救われました。でなければ、選挙は正当性を持たないものとなったことでしょう。この地域で選挙はできなかったでしょう。トルコの民主主義にとって有益な決定が下されました。我々は、今後この決定について議論していきます。

■エルトゥールル・キュルクチュ(平和民主党系メルスィン無所属候補)

これはそもそも一週間前に下されなければならない決定でした。この一週間で、トルコでであってはならない、我々の望まなかったことが起きました。一人の人間が命を落としました…。ただ法的手続きをとらせるために、人々は日々路上で抗議をしなければならなくなりました。辛くと困難なことでした。しかしトルコの国民、世論の大部分は、戦争よりも平和、独裁よりも民主的権利の側に立つことを表明しました。忘れてはならない歴史的瞬間の一つです。高等裁判所の不法を、何百万もの人々が、平和的で、民主的で、合理的な抗議の手段によって撤回させたのです。抗議をした人々の多くは私たちと違う考えの人々です。(しかし)私のように考えない、話さない人にも政治をする権利があると言って抗議したのです。民主主義の成熟度を試す試験をトルコは克服しました。社会の抗議のおかげです。法的機関は残念ながら、問題を深刻化させる役割を担いました。この法のもとで選挙を行うことを決めた政府と議会は、緊張を生んだ今回の展開に責任を負っています。しかし、決定的な瞬間は克服しました。

■ベンギ・ユルドゥズ(平和民主党、バトマン選出国会議員)

一週間前に決定が下され、この結果が生じていなければ…。とても険悪な雰囲気を作りました。書類に不備があると言われ、書類がみつかったと言われ・・。そんなことはとっくにわかっていたことです。しかし世論は一致し、試験で合格点をとりました。我々は、この決定によって、今後似たような決定が生じなくなることを願っています。どのような結果が現れるのかはもうわかりきっているのです。この決定がトルコの民主主義に貢献することを願っています。

■アイセル・トゥールク(平和民主党系ヴァン無所属候補)

最終的には好ましく、いい結果となりました。間違いが正され、不法状態が取り消されました。この(立候補却下の)決定は、最終日になって示されたもので、受け入れられるものではありませんでした。社会の抵抗に、怒りに道を開きました。しかし、この展開は、トルコのためになりました。この決定がもし繰り返されたら、トルコにとってよくない、双方の乖離のひろがっていく、一体感を弱める展開になっていたことでしょう。しかし、決定は撤回され、危機は去りました。この点が重要です。トルコの民主主義、友愛、平和の観点で、一つの勝利です。

■ガリプ・エンサリオール(公正発展党ディヤルバクル国会議員候補)

高等選挙委員会は、民衆の良心を傷つけ、国民の自由意思の投票箱への反映や、選挙の信頼性を危険にさらす一つの決定を下しました。この決定は、南東アナトリア地域において大変深刻な一連の事件の原因となりました。国民の一人は命を落としました。今日、この間違いが撤回されたことはとても正しく、好ましいことです。緊張は解けました。選挙は自由な状況で行われることでしょう。責任のある役所では、今後、諸決定を下す時、より注意深くなくてはなりません。ここから教訓を学び、今後、このようなデリケートな諸問題の決定が下される際には、責任のある部署で決定を下す人々が、もっと注意深くあらねいけないことを示したのです。

■セズギン・タンルクル(共和人民党副党首、イスタンブル国会議員候補)

共和人民党のセズギン・タンルクル副党首は、高等選挙委員会が今日の夕刻に終わった会議の後に行った会見を評価し、「正しい決定でした。高等選挙委員会は、地方の裁判所の決定をまたずに、一つの独立司法機関として、(立候補)却下の決定を使わずに、決定をくだせたはずです。トルコにとって、3日間の政治の緊張と危機の原因になりました。同時に、選挙の得票率制限の点について、それが廃止される必要のあるものだることを、再び、明確に示しました。トルコにおいて、政治に負わされた義務は、反民主的で、(国民の)代表性の公正を妨害する得票率制限条項を、他の危機の原因となるまえに廃止するために、政治的な歩み寄りをすることです。」

■メフメト・アクタル(ディヤルバクル弁護士会会長)

(立候補者の)却下の決定はあってはなりませんでした。高等選挙委員会は間違った決定を撤回しました。この地域での緊張は緩和するでしょう。しかし、明らかな損害をもたらしました。この損害の傷跡は、しばらく続きそうです。皆が残念なのは、事件が死者を出したことです。ここでは世論の支援と抗議が、このような(撤回の)決定が下されるのに有効に働きました。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:22217 )