ヴァンで許認可を得たイラン映画上映
2011年04月24日付 Zaman 紙

今年初めて開催された第一回ヴァン・イラン映画デーは、反体制派ではないとされる監督によるイラン映画14本を迎えている。ヴァン県が開催し、来年には映画祭となることが予想されるこの映画デーの提唱者は、イペキヨル・モスクのイマームで芸術愛好家のアドナン・ユルドゥルム師である。

平日に起きた「事件」で、ニュースの材料となったヴァン県は、現在、文化イベントの開催地となっている。門や窓が壊されたジュムフリイェト通りでは、現在イランから来た映画関係者たちが「どこだどこだ」と言いながらトゥルクアズ・ビジネスセンターを探している。商業目的ではなく、第一回ヴァン・イラン映画デーが行われるジネヴァン映画館に行くためだ。ミュニル・カラルオール県知事の後援で開催されたこのイベントには500万ドルの予算が組まれており、イラン映画で最高額の製作費が掛けられたシェフリヤル・バフラーニー監督の「ソロモンの王国」のトルコプレミア試写会で幕を開けた。イベントではイラン映画の中から「秘密の感覚」、「アアル」、「ソロモンの王国」、「失われた真実」を含む14本の長編映画が上映される。

イランの映画監督と言うと、海外と同様トルコでも、キヤリュステミやマジーディ、パナーヒー、マフマルバーフ、ゴバディが頭に浮かぶ。しかし、今年初めて、そしてかなり控えめに行われた第1回ヴァン・イラン映画デーに彼らの名前は無い。この理由の一つは、イラン文化大使がこのイベントの実行組織を支援しており、政府から「認可を得た」映画だけが参加できるからである。このためイベントには、どちらかというとイランの国内向けに映画を製作するアリー・レザー・フェリド、アリー・モアッレム(プロデューサー)、バフラーム・バフラミアンといった監督が顔をそろえた。そしてイベント第一回目の「花形」は、トルコでも有名なドラマ「予言者ユスフ」で主役を演じ、監督映画としてイランでも大きな人気を得たムスタファー・ザマーニーとなる。ホテルや道を歩く際も道が人でふさがれ、訪問したアクダマル島の警備員さえも写真を撮ってもらおうとザマーニーと腕を組んだ。

■映画デーから「金の猫(アルトゥン・ケディ)」へ

イランから来た映画関係者と招待客に注目が集まる中、最も幸せな表情を浮かべているのがアドナン・ユルドゥルム師である。彼と少し話せばその理由が分かってくる。現在、ヴァン・イペキヨル・モスクのイマームであるアドナン・ユルドゥルム師は、ミュニル・カラルオール県知事の支援で実現した映画デーの提唱者である。アドナン師は22年間イマーム職についているが、非常に変わったイマームである。約100枚の絵画コレクションを所有しているが、それでもコレクションの半分は「仕方なく」手放したという。アドナン・ユルドゥルム師は以前にもヴァンと、アンカラ絵画・彫像美術館で展示会を開いており、映画デーのために6年間尽力してきた。ユルドゥルム師は、これまでに絵画展やコレクションのためにテヘラン、タブリーズ、シーラーズを歴訪しており、映画祭というイベントの開催をカラルオール県知事に提案して、良い返事を得た。しかし最初の年は「打診」に留めたほうが良いと判断されて、映画祭が映画デーに変更となったらしい。アドナン師は「縁があれば来年は映画祭になるでしょう」と話す。その上、彼の中では映画祭の名前も決まっているそうだ、2つの異なる目の色を持つあの有名なヴァン猫からひらめきを得たという。その名も金の猫映画祭だ。来年の目標とするもう一つの「発展」は、ヴァンの地理的立地にふさわしく、イラン、アルメニア、グルジア、アゼルバイジャン、そしてイラクの映画を上映し、イベントのコンセプトを拡大することだ。

■ヴァンでイラン映画の撮影

ヴァン・イラン映画デーは、最初の年に、早なりの「実」をつけたと言える。イラン人のアリー・レザー・フェリド監督は今年撮影予定の映画の一部をヴァンで撮影する。フェリド監督は以前ヴァンとタトヴァンで働いた事があり、「ヴァン‐タトヴァン間をフェリーでよく行き来した」と語る。死んだ夫がトルコ人だったと知ったイラン人女性がトルコへ来て夫の跡をたどる姿を描くこの映画は、タブリーズで始まりヴァンで続くことになる。フェリド監督はヴァン県から映画支援の約束をとりつけており、彼がヴァンにいる間、街や、特にアクダマル島を注意深く見ていた事をここに書き留めておこう。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:22253 )