コラム 「真実のことば:エジプトの民衆はアメリカの援助を拒否する」
2011年04月26日付 Al-Ahram 紙
■「コラム:真実のことば」
2011年4月26日『アハラーム紙』
【イサーム・アブドゥルムンイム】
アハリーとザマーレク(エジプトの二大サッカーチーム)に関し、優勝回数に関して違いがあるのは、私の見たところ、まずなによりもアハリーが運営に関して独立性を維持した期間の長さにある。それに対して、国内でもアフリカ大陸のレベルでも良きライバルであるザマーレクはその期間が短いのだ。
私にこの考えが浮かんだのは、アハリー・クラブが21世紀の最初の10年間におけるアフリカ大陸の最高のサッカーのクラブチームであると国際サッカー歴史統計連盟が発表したというニュースを聞いた時のことである。また、アフリカサッカー連盟は以前、アハリーを「20世紀のチーム」に選出していた。両方とも、エジプトのサッカーに名誉を与えるものであり、アフリカでは並ぶ者のない先駆的な位置にあることを示している。
さてはじめの問題に戻ろう。二つのチームは、歴史的に見て、物質的および技術的な力に関してはほとんど同じである。エジプト国内およびアラブ世界における人気という点でも同じだ。政界および経済界の大物、芸術家、作家、ジャーナリストがクラブに所属し支援しているという点から来る影響力でも変わりない。
しかしながらザマーレクはいつも、多くの運営に関する問題にさらされ続けてきた。そしてそうした問題は公然のものとなっているのだ。その一方でアハリーは、運営上の独立性を維持し、外からの介入を拒む方針をとることにより、成果を出してきたのである。
いずれにせよ、エジプトのアハリーはこの名誉を受けるに値する。それは仲間内の見方ではなく、21世紀の最初の10年の間にこの地域で、そしてアフリカ大陸で、また世界でアハリーが獲得したタイトルの合計がもたらしたものなのだから。
ワシントン・タイムズはアメリカ政府に、ムバーラク政権の間30年間にわたって続いた、約15億ドルに上るエジプトへの援助を止めるように求めたが、私はこのアメリカの新聞に声をそろえたい。私はアメリカがこの援助を止めることを願うのだ。
この援助によって私たちは幾度も新聞報道で、そしてアメリカの議会で蔑まれてきた。この援助の4分の3以上がアメリカ人の工場やアメリカ人の専門家の手にすぐに渡ってしまうというのに。そしてイスラエルには30億ドル以上に上る物質的援助や他の形の軍事的援助が行っているというのに。
エジプトの民衆は、どのような形で行われるのであれ、エジプトをイスラエルとの和平に縛りつけるようなアメリカの援助は欲してはいない。我々は(革命によって)結局、数10億ドルの損失を出したが、しかし我々はまず、自分たちの労働と生産によって、そして経済の発展によってそれを補うだろう。さらにかつてエジプトを支配していたアメリカのエージェントたちが奪い去った我々の財産をとり返すことによってそうすることになるだろう。
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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:22308 )