■国民は…いまだ警察に期待している
2011年04月25日付 Al-Ahram紙
2011年04月25日『アル=アハラーム』紙
【調査:シーリーン・ウマル】
ほとんどの警官がエジプトの街に戻ってきたにもかかわらず、治安状態はいまだ安定しない。しかし、警官らの公務への完全復帰や法律違反者・逸脱者への断固たる 対処を妨げる心理的な障害があるようである。こうした違反者たちは多くが逮捕され、法的手続きが滞ることなく軍事法廷で判決が出ているにもかからず、社会を危機に曝しているにもかかわらずである 。
警察の完全復帰は、量的にも質的にも、すでに国民的な要求となった。我々はそれを以下のインタビュー調査で述べることにする:
ダール・アッ=サラーム地区でフール(豆の煮込み料理)屋を営むイードさんはこう述べた。「バルタギーヤ(暴力をふるう者達)は毎日昼も夜も街に繰り出し、刃物で通行人を脅し、金銭や携帯品を持ち去る。そのひどさときたら、数日前、白昼堂々、マイクロバスを持ち主の家の目の前で持ち去ろうとするほどである。近隣住民が銃剣や棒で対抗すると、彼らは逃げて行ったが、もしその住民がそうしなかったら、バスは盗まれていただろう。治安状況はいまだ安定していない。私達は、私達の所有物、子供たち、女性たちが安心を感じられるよう、警察が相互尊重の精神をもって力強く戻ってきてくれることを望む」。
ハダーイク・アル=マアーディー地区9番通りの駐車場管理をしているサーイスさんはこう言った。「車を守るため、夜寝ずに小さな小屋の中で起きている。しかし、私達は武器を持たず、灯をともすだけで満足しなければならない。以前も、治安部隊の不在中にダール・アッ=サラーム警察署から脱走したバルタギーヤからの攻撃に遭ったことがある。だから、市街の警察の存在はすごく大切だ。しかし、以前のような厳しく、傲慢な振る舞いは避けるべきだ」。
保育園の経営をするザイナブさんはこう言う。「ムカッタムの丘やアズバ地区に近いことを考えると、保育園にいる子供達のことが大変な心配です。一日中鉄の扉を閉ざさざるを得ないのが実情です」。彼女がザフラー・アル=マアーディー地区という静かで治安の悪い地区に住んでいることを確認し、私は自分の胸に手を当てほっとしています。彼女は、警察にこれまでのような役割を回復し、市民とともに規律をもって対処し、安全回復のために活動することを求めている。安全回復は私達エジプト全体が求めていることなのだ」。
しかし、警察官は何と言うのだろうか?
ダール・アッ=サラーム警察の警部マフムード・シャーヒーンさんはこう言った。「警察署内の仕事は1月30日から普通に戻っている。最初の頃は署庁舎が全焼し、あらゆる備品が盗まれたりして、困難であった。しかし、我々はすぐに状況を克服し、善良な市民らは我々のところに戻ってきた。中には、自分が盗んだ椅子や机を返しに来た者もいた。警察内部の機能回復は終了し、署内の独居房や事務所には新しい扉がつけられ、壁紙が貼られ、衛生設備も回復した」。
さらに次のように付け加えた。「自分達に対する攻撃を試みる者との衝突もあった。しかし、我々は事態を収拾し、事態が落ち着くまで十分な尊厳と冷静さを保って彼らに対処した。もちろんこの状況で心中穏やかでなかった。私達の利益は国民の利益であり、私達もまた長い間その中で生きてきた経済的状況や官僚制に苦しんでいたからである。また、国をむしばむ腐敗にも苦しんできた」。
「エジプト革命は歴史上最も偉大な革命の一つであり、それは、警察であれ国民であれ、エジプト人である我々全員にとっての成功であった」。「私達がエジプト国民に明確にしておきたいことは、我々は皆一つの国の国民なのだ、ということ、そして警察官にとっての最大の関心事はすべてはエジプト市民の安全であり、いかなる個人に対しても、その人が犯罪者でない限り、反することはない。なぜなら、私も一人の国民であり、私の家族もまた、普通の国民なのだから」。
中央治安局士官であるアフマド・イッザト大尉さんはこう懇願した。「政府と警察を区別してほしい。我々は国民を守っているのであって、政府を守っているのではない。もし以前の腐敗に関しては、我々には決して罪はない」。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:在間咲野 )
( 記事ID:22314 )