学歴が低いヨルダン女性ほどより多くの虐待と暴力を受けている
2011年05月03日付 al-Quds al-Arabi 紙

■学歴が低いヨルダン女性ほどより多くの虐待と暴力を受けている

2011年5月3日『クドゥス・アラビー』

【アンマン:本紙】

ヨルダン公安局の家族保護局は、昨年親戚や隣人から暴行を受けた836人について調査した。そのうちの319人は女児で、237人は成人女性だった。

家族保護局のムハンマド・ズアビー局長が提出した調査報告書によれば、家族保護局は設立された1998年から2010年までに、7842件の男女に対する性的虐待に対処した。うち4583件が女性に対するものであり、さらにそのうちの2751件が未成年者に対するものであった。

家庭内での家族による女性への身体的虐待に関しては、1998年から2010年の間に家族保護局へ届出があったのは4340件で、うち784件が18歳以下に対するものであった。また2010年には1261件の身体的虐待が起きていた。

「女性への暴力は増加しているものの、ヨルダン社会で現象を形成するには至っていない」とズアビー氏は語り、「社会現象のレベルには至っていないとはいえ、おそらくは通報への意識が高まったために統計上の数字が増加し続けていることは、悪化する前にこの問題に歯止めをかけるため、より一層の防止策と対応策が必要であることを指し示している」と説明した。

調査によれば、家族保護局に届け出られた訴えの統計を分析した結果、身体的暴力が関わる事件、具体的には女性に対する事件の場合、加害者と被害者の間には極めて近しい関係があることが明らかになった。家族や親類が加害者となる割合が高く、多くの場合が被害者の父親や兄弟、夫であった。このことは、家族としての生活が始まった当初から夫婦間に存在する文化的・社会的・経済的不一致の結果として生じた家庭内のつながりの脆さや家族関係の弱さを示している可能性がある。

同様に家族保護局の統計では、加害者には学歴の低い失業者層の割合が最も高く、被害女性の側は社会的・文化的レベルは様々だが、学歴の低い主婦層に集中していることが指摘された。

ヨルダンの刑法では、女性に対するほとんどの虐待を、法律により罰せられるべき犯罪行為とみなしている。その中には、女性の生命と身体の安全を脅かす暴行罪(身体的暴力、殺人、殺人未遂)、女性の貞操に対する暴行罪(強姦、貞操の損壊)、セクシュアル・ハラスメント、中傷、名誉毀損、脅迫などが含まれる。

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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:22414 )