ストラスカーンIMF専務理事後任に、トルコ人候補?
2011年05月18日付 Zaman 紙

国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストラスカーン専務理事がニューヨークの刑務所で拘留されている中、ニューヨーク・タイムズ紙は次期IMFトップの座に誰がつくかについての予測記事を書き始めた。記事ではIMFトップとして、将来性があり穏健かつ批判を招いていない候補者リストの上位2人に、メフメト・シムシェキ財務相とケマル・デルヴィシュ氏の名前を挙げている。ニューヨーク・タイムズ紙はシムシェキ財務相の「この件で(IMF専務理事就任に)知識および経験不足など微塵もない」という言葉に注目している。

同紙は、シムシェキ財務相の他に知られている名前として元大臣のケマル・デルヴィシュ氏も有力候補者の中に名を連ねており、他の候補者に比べ有力であると明らかにした。記事では第二次世界大戦後IMFトップには今日までずっと欧州勢が就いてきたと指摘される一方、これに対しアメリカには世界銀行の本部が置かれていることが強調されている。

新聞記事では、欧州諸国が世界経済の発展と比較すると、その影響力を失い始め、それとは反対に他の国々はより影響力のある発展を遂げていることが明らかにされた。IMFのトップには2人のトルコ人有力候補者の他にインド、メキシコ、南アフリカからの候補者の名前も挙がっていることが強調された。

記事ではIMFで中国がアメリカと日本に続き3番目に影響力を持っていると明らかにされたが、現在までに中国は(IMF専務理事の)候補に挙がっていないと指摘された。またニューヨーク・タイムズ紙は、中国政府のスポークスマンが、IMFのトップに選ばれる人物はこの地位に相応しい人物である必要があると言及したことを記事にした。

■IMF専務理事になるための2つの条件:新興国市場とヨーロッパ人であること

記事では、ドイツから欧州中央銀行総裁の有力候補と目されている、ドイツ銀行頭取ヨーゼフ・アッカーマン氏の名前もIMFトップとして挙がっているとしている。同記事ではやはりドイツからトーマス・ミロー氏も有力候補者であると指摘された。

記事にコメントを寄せた数人の専門家も、IMFトップにはヨーロッパの数ヵ国で起こっている経済危機解決のため、同地域の事情に詳しい人物が就くと指摘している。アメリカ財務省の元専門家でありワシントン国際金融研究所のチャールズ・ダラーラ氏は、IMFの専務理事には欧州出身者が就くという慣行を強調した後、「もう一つの重要な要素に、この地位には新しい専務理事が新興国市場の出身者である必要があるということがあります」と述べた。ストラスカーン専務理事の地位にとって、上記の2つの要因が必要だとダラーラ氏が主張したのは、シムシェキ財務相とデルヴィシュ氏をアメリカ側が肯定的に捉えていることを示している。

ニューヨークのライカーズ島に収監され、日々を過ごしているIMFのストラスカーン専務理事が理事を辞職するよう、国際的圧力が高まっていると指摘されている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:22549 )