ケマル・デルヴィーシュ氏、「IMF専務理事に立候補なし」
2011年05月20日付 Milliyet 紙
ケマル・デルヴィーシュ氏はIMF専務理事に立候補しないことを表明した。
ドミニク・ストロスカーン前IMF専務理事がニューヨーク滞在中に宿泊していたホテルの従業員に対し、強姦未遂等の容疑で逮捕され、IMF専務理事を辞任した後、後任者が誰になるのかということが議論の的になった。
ウォール・ストリート・ジャーナルの情報によると、IMF専務理事の最も有力候補者の一人としてケマル・デルヴィーシュ氏の名前が挙ったが、本人はその意志はないと明らかにした。
この問題に関し声明をおこなったデルヴィーシュ氏は、IMF専務理事後継者に自分の名前があがったことに言及し、「しかし、私は専務理事に立候補していないし、する予定もない」と述べた。
ブルッキングス研究所での仕事に満足していると述べたデルヴィーシュ氏は、当分トルコをも含めた問題に関する研究を続けたいと続けた。
かつてトルコ経済問題担当国務大臣を務めたデルヴィーシュ氏は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを卒業した後、アメリカのプリンストン大学で博士号を取 得、1977年以降22年間世界銀行で働き、副総裁にまで上りつめたという経歴をもつ。また、国連開発計画(UNDP)の総裁をも務めた。
ヨーロッパが支持する最も有力な候補者はフランスのクリスティーヌ・ラガルド氏(55)である。アクセル・ヴェーバードイツ中央銀行総裁も有力視されている。
南アフリカのトレボル・マヌエル元大臣、IMFで2003年から2006年まで職務を果たし、昨年1月にメキシコ中央銀行総裁であったアグスティン・カルステンス氏、ブラジル中央銀行総裁を任された54歳のアルミ二オ・フラガ氏、タルマン・シャンムガラトナムシンガポール財務相、グレゴリー・マルチェンコカザフスタン中央銀行総裁も候補者として、名が挙がっている。
新興国の経済担当者たちは、特に国際的危機の後活動が活発となったG20に注目しながら、IMFの専務理事職があらゆる国の候補者らに機会を提供し、また、候補者らの(評価基準の)透明性を担保して評価を実施するよう求めている。
IMFの専務理事はいつもヨーロッパ人が務める一方、IMFの兄弟機構である世界銀行とIMFの副専務理事はアメリカ人が務めている。
■新IMF専務理事はどのように選ばれるのか?
IMFの新しい専務理事選出は、運営委員会によっておこなわれる。運営委員会は187の国を代表して24人のメンバーで構成される。アメリカ、中国、日本、イギリスのような「経済大国」は各国で一人代表を出している。他の国ではグループ単位で代表を選出している。
運営委員会は、新たな専務理事選出を合意に基づき選出するようつとめる。しかし、もし話し合いで意見がまとまらない場合、投票に移行する。
票は各国がIMFで占める立場により重みが異なる。これはおおよそ各国の世界経済における立場と等しい。
英国放送協会BBCはこうした票の重みが時代遅れである点に注意を向けた。中国や他の新興国(の経済状況)が十分にが反映されない一方、ヨーロッパは十分すぎるほど反映していると述べた。
例えば、購買力の観点から見ると、中国は国際経済において13.6%を占めるが、全票の中で占める割合は3.82%であるとした。同じ基準でイギリスとフランスの国際経済における購買力は2.9%であり、投票で占める割合がこれに等しいことが指摘された。
専務理事選挙開始のために来週木曜に開かれるIMF執行取締役会会議が待たれているところだ。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:22580 )