エルドアン首相の東部遊説続く
2011年05月21日付 Milliyet 紙


ヴァンで開会式典、ハッキャーリとシャンルウルファで集会を行ったエルドアン首相は、「ハッキャーリの若者たちが現実をよくみて、(PKKやBDPの)暴力政策を問いただしてほしい。母親たちには、子供たちを(PKKキャンプのある)山から呼び戻してほしい」と述べた。

選挙遊説を続けるレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は昨日(20日)東部・南東部で駆け足で遊説を行った。エルドアン首相は午前中ヴァンで公正発展党(AKP)ヴァン選出のカイハン・チュルクメンオール議員が経営するショッピングセンターで開会式典を行った。エルドアン首相は開会のリボンを切った後ショッピングセンターを見てまわり、退出する時には好意的に迎える市民たちに挨拶した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、ヘリコプターで12時5分にヴァンからハッキャーリへ移動した。エルドアン首相はハッキャーリからヘリコプターで再びヴァンに戻り、ヴァンから飛行機でシャンルウルファへ向かった。
エルドアン首相と随行員たちは13時にハッキャーリに到着した。エルドアン首相のために特別なセキュリティ対策がとられた。2機のコブラと3機シコルスキーのヘリコプターでハッキャーリを訪れたエルドアン首相をムアッメル・チュルケル・ハッキャーリ知事が出迎えた。

■「これはシャッターを閉鎖させる運動」

エルドアン首相は、首相に抗議するためすべてのシャッターが閉められたハッキャーリで約3000人に語りかけ、PKKと平和民主党(BDP)を非難した。エルドアン首相は商店のシャッターは無理に閉められたものだと述べ、「店主は脅しによってシャッターを閉めざるを得なくなっている。これは「シャッター閉鎖運動」ではなく「シャッターを強制的に閉鎖させる運動」である。人々を脅し、自治体の手によってテロを広めてシャッターを閉めろと言うことはできない。これは商業の自由を妨げるものである」と述べた。エルドアン首相は、過去にあった様々なな制限に言及し、また、しばしば実名は挙げないながら、BDPを批判した。演説の要約は次のとおり。

■自治体は何をしているの」

「この、ハッキャーリの大通りを歩くと、人間として恥ずかしくなる。なんという地方自治体だ。この町のインフラはどうなっている?道はできているのか。ハッキャーリ県の予算は何に使われているのか。我々政府は、みなさんに決して嘘をついていない。友愛の精神で実質的な政治をしている。しかし、この(BDPの)自治体は、イデオロジー的であり、政治的だ。我々は、実際に何が残せるか、何ができるかを語っているのだ。」

■クルド語の名前を発音

「チュクルジャやユクセコヴァ、シェムディンリではクルド語の音楽が隠れて聞かれていた。アフメディ・ハニの名に言及することはできなかったし、(彼の作品である)メム・ウ・ズィンは知られていなかった。しかし私たちは今メム・ウ・ズィンを出版した。母親たちは子供たちとクルド語で話すことができる。チョレメリキ(ハッキャーリ)、ゲヴェル(ユクセコヴァ)、ネヴシャル(シェムディンリ)、チェル(チュクルジャ)と言うことすらご存知のように禁止されていた。その時代から今日に至ったのだ。(そんなことしたら)「国が分裂する」と言われていたがそんなことはなかった。我々の兄弟性はさらに増した。以前、人々はクルド語の音楽テープをこっそり台所に隠していたが、今政府のテレビは24時間クルド語で放送している。これをもたらしたのは私たちである。」

■正直と誠実を行うよう

「テロと暴力は貧困と空腹以外のものをもたらさず、なんの解決にもならない。火炎瓶と石ではいかなる問題も解決できない。脅しに屈してはならない。投票は、良心と誠実さの表すものだ。共和人民党(CHP)、民族主義者行動党(MHP)、BDPは連合している。私たちは民主主義のため努力しているが、彼らはこのプロセスを妨害しようと日夜努めている。」

■国を分裂させることは許さない

「ひとつの国民(millet)といったが、この中にはトルコ人がおり、クルド人がおり、ラズ人、チェルケス人、ロマの人々がおり、国民はこのようになりたっている。なぜ私たちのこの国旗の色がそれぞれを不快にさせるのか?この色は私たちの殉死者の血である。78万平方キロメートルのこの祖国は私たちのものである。国を分裂させることは許さない。」

■暴力を問いただすべき

「今なぜ私たちの市民を自由にしないのか。なぜ妨害するのか。それは自分たちを信じていないからである。彼らは決して我が兄弟たるクルド人たちの代表者とはなりえない。民衆を愛すものは、民衆に奉仕するはずだ。ハッキャーリの我が兄弟たち、ハッキャーリの若者たちよ、現実を見て、暴力政策を問いただしてほしい。母親たちや、子供たちを山から呼び戻してほしい。現在、なんら禁止されていることはなく、表現を妨げるものはない。」

■テロに養われている

「私はハッキャーリの小売業者が稼ぐことも望んでいる。輸出を増やし、失業者に職を。これは夢ではなく十分に存在しており、そうなるべきである。テロは終えられ、流血は止められるべきである。BDP党首は『流血によって養われた者たちに災いが降りかかるよう』と言っている。どの顔で言っているのか。ハッキャーリで市民が手を振って歩き回れないとすればそれはあなたの責任である。彼らが養われた唯一の場所がテロである。」

エルドアン首相の来訪によってハッキャーリでは特別なセキュリティ対策がとられた。エルドアン首相はシャッターの閉められた大通りを通って集会場所に訪れ、3000人に語りかけた。
シュメイイェ・エルドアン首相令嬢も集会の見物に訪れた市民たちと話をし、記念写真を撮影した。

■「自治体は配分された予算について問われるべき」

エルドアン首相は、ハッキャーリに対し行った奉仕を説明し自治体に送られた予算がどこで使われたかについての計算が問われることを望み、次のように述べた。

「しばしば『ハッキャーリ自治体に予算は来ていない』と彼らは言っているが、何が来ないのか?さて、どれほど私たちが予算を送ったかを述べよう。それをこの場に来ていない、もしくは来られなかった兄弟たるクルド人に説明しなさい。2010年に135億の予算の配分を行った。ユクセコヴァ自治体には180億を配分した。西部への配分と比べてもこの地方はより多くを手にしている。テロによって被害を受けた人々には5億4300万TLを支払った。市民がだれも犠牲とならないよう対策をとった。これを行う一方で、警察や兵士に武器を向ける手に対し黙っていることはできない。」

■「礼儀・慣習と疎遠」

エルドアン首相は、シャンルウルファでの集会でも次のように述べた。

「あなたたちは今日政治において、いろいろな人が辞任しているのを目にしている(注)。詩人ナービーは、その詩で教訓が与え、この国には、礼儀や慣習を教える立派な詩人たちがいるにもかかわらず、残念ながらこれらを見ず、これらを読まず、これらから教訓を得ることのできない何人かの政治家たちもいるようだ。さてMHP党首を見ると、ナショナリストだというにもかかわらず、この国の宗教や様式、慣習を残念なことに学ぶ必要すら感じていなかったらしい。BDPを見ると、彼らも、彼らの立場からのナショナリストである。彼らも別の側から差別をすることに努めており、彼らもこの国民のこのすばらしい行動様式を学ぶ必要性を感じてこなかった。ユヌス・エムレ、メヴラーナ・ホジャ、ベクタシュ・ヴェリ、アフメディ・ハニらから、そして彼らのそのすばらしい言葉から残念ながら何も学んでいない。」

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:22595 )