民族主義者行動党(MHP)執行部の不適切な映像を掲載したウェブサイトは昨日、新しい録画映像を公開した。(サイトは)メフメト・エキジ氏の映像を公開し、6人の執行部メンバーの辞職を要求した。これを受けて、エキジ氏、副党首のデニズ・ボリュクバシュ氏、オスマン・チャクル氏、ユミト・シャファク氏、幹事長のジハン・パチャジュ氏、理事会メンバーのメフメト・タイタク氏が辞職した。そのためメンバーの半分以上を失ったMHP理事会は、採決を行うことができなくなった。
MHPは昨日、再びテープ・スキャンダルに揺れた。以前にも二つの事件で3人の副党首と1人の国会議員候補を不適切な映像の流出のため失ったMHPは、昨日も6人の理事会メンバーの突然の辞職に揺れた。「異なる理想主義」という名のブログは、以前(ブログ上で)辞職勧告をした6人の執行部メンバーに関する映像のうち最初のものを、昨日公開した。メフメト・エキジ副党首の、小学校教師との不適切な映像が記録された録画映像では、映像の下に他の人物の名前も列挙し、辞職しないなら彼らに関する映像も公開するという脅迫が行われた。
これを受け、副党首のメフメト・エキジ氏、デニズ・ボリュクバシュ氏、オスマン・チャクル氏、ユミト・シャファク氏、幹事長のジハン・パチャジュ氏、補佐のメフメト・タイタク氏は、党における役職と、国会議員候補から退いた。こうして、以前の辞職と合わせて、16人からなるMHP理事会には6人だけが残った。3週間でメンバーの半分以上を失った理事会は、もはや採決ができる状況ではなくなった。
MHP党首のバフチェリ氏を含む16人からなる理事会のメンバー数は7人に減った。MHPの党則第51条、「理事会の組織と機能の原則」によると、理事会の会合は、全メンバー数の過半数で行うことができる。これは9人に相当する。この状態では、理事会は集まることも採決することもできない。デヴレト・バフチェリ党首が議長理事会を招集するためには、75人からなる中央執行委員会(MYK)から新メンバーを任命する必要がある。
問題のブログは先週水曜日に、デヴレト・バフチェリ党首に向けた公開書簡を公表した。書簡には、この6人に関する映像を所有しており、彼らが辞職しないなら一つずつ公開するという脅迫が書かれていた。同じ日にカスタモヌで説明を行ったバフチェリ氏はサイトに対して最後通告をし、「誰の手に何のカテープがあろうが公開すればいい。これ以後わが党員は誰も辞職などしない。するとしても私は認めない。全責任は、MHP党首として私が取る」と言って挑発した。前日の夜にCNNトルコで生放送された党首たちによる討論番組でもやはり挑発を続けたが、同時に「辞任」問題については明言を避けた。また「映像を公開されていないメンバーに関する映像がこれから公開されたらどのような行動をとるか」という質問を受け、「何が必要であろうとそれをやる。わが党の9の原則のうちの一つはモラリズムの原則である。彼らの辞職が望まれている。4人の党員を見捨てて、その他の人を助けるというわけにはいかない」と話した。また一方では、「「某日までにこれをやらないなら公開する」と言った者達に私は言いたい、やれるものならやってみろ。持っているものだけでなく、あればあるだけ…」と呼びかけた。
この発言を受けてすぐ行動に移したサイトは、最後通告に最後通告で答え、最初にメフメト・エキジ副党首の映像を公開した。以前の4人にかけて、「汚物-5」というコードで公開された映像には、エキジ氏の小学校教師との不適切な映像が含まれていた。また、エキジ氏が、映像流出事件を批判したPKK執行部メンバーらについて、「彼らが、一貫した考えと道徳心を持っていることがわかった」と発言したこともサイトには掲載されている。サイトは、辞任しないなら他の5人の映像も公開すると記している。「辞職した人の映像は公開しないと『我々の信念にかけて誓う』と、党と世論に宣言する」と言っている。
その直後から辞職が相次いだ。はじめに、映像が公開されたメフメト・エキジ氏が、役職を辞し、国会議員候補を辞退した。エキジ氏は、「国民に申し訳ない、私の戦いが新たに始まった」という表現を使った。その後サムスン県候補のオスマン・チャクル氏が、党を辞すると発表した。チャクル氏は、「この条件で政治をしたくなかったので辞職した」と話した。MHP幹事長のジハン・パチャジュ氏は、幹事長職、党員、アンカラ県国会議員候補を辞任した。その後イスタンブル県候補のユミト・シャファク氏とメフメト・タイタク氏、アンカラ県候補のデニズ・ボリュクバシュ氏も順に辞職を伝えた。ボリュクバシュ氏は、「(公開された)テープはAKPによる政治的暗殺だ」という主張をした。それに対しサイトは、ボリュクバシュ氏の、元大臣の妻との不適切な映像と、国民と精神的な価値への重い侮辱を含む声の記録があると発表した。
以前暴露されたテープ・スキャンダルに関してMHP副党首のレジャイ・ユルドゥルム氏、メティン・チョバンオール氏、ビュレント・ディディンメズ氏、元イスタンブル県知事のイフサン・バルトゥチュ氏は、役職と国会議員候補から退いた。最初のテープは、4月27日にネットに流出した。こうして、3週間で辞任した人の数は10人に達した。
レジャイ・ユルドゥルム氏はアダナ県候補1番手、メティン・チョバンオール氏はクルシェヒル県候補1番手、ビュレント・ディディンメズ氏はイスタンブル県第1選挙区候補2番手、メフメト・タイタク氏はイスタンブル県第3選挙区候補3番手、イフサン・バルトゥチュ氏はイスタンブル第3選挙区候補4番手、オスマン・チャクル氏はサムスン県候補1番手、メフメト・エキジ氏はヨズガト県候補1番手、ユミト・シャファク氏はイスタンブル第2選挙区候補2番手、デニズ・ボリュクバシュ氏はアンカラ県第2選挙区候補1番手、ジハン・パチャジュ氏はアンカラ県第2選挙区候補2番手の国会議員候補だった。これらの人の候補からの辞任によって、MHPのより下の順番にいる候補が上の順番に繰り上がることになった。
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:22608 )