「宇宙の神秘」を名乗る逸脱団体の幹部4人を逮捕
2011年05月17日付 Jam-e Jam 紙


大々的な広告をうって人々を騙してきた「宇宙の神秘」(エルファーネ・ケイハーニー)なる団体の幹部4人が、バム県で逮捕された。

 ジャーメ・ジャムの報道によると、これらの容疑者(女性2名、男性2名)は団体のリーダーで「博士」を名乗る「T」という名の人物が立ち上げた養成クラスに参加した後、霊との接触や不治の病の治癒を謳って、バム県で大々的な活動に乗り出していたという。彼らは、治安当局の機転により逮捕され、今も取り調べが続けられている。

 「技師」或いは「博士」を名乗る「T」は二年前から、初めは「宇宙の叡知」、後に「宇宙の神秘」の名でテヘラン近郊の町で大々的な宣伝活動を開始、その後短期間で、人々の信用を獲得することに成功し、授業を開いては受講生を集めていた。

 授業の初期登録料は5万~30万トマーン〔約4千円〜2万4千円〕で、T博士(この人物を「技師」の名で呼ぶ者もいた)は、ある有名大学の機械工学科を卒業したと言っていたという。しかし実際には、この人物の最終学歴は高校である。

 受講生の大多数を女性が占めていた授業のなかで、彼は「オショウ」〔※インドの神秘家〕をはじめとする東洋の諸々の神秘主義を融合させたものを、イスラーム神秘主義に関する欠陥だらけの解釈と織り交ぜながら、教えていたという。

 これらの授業では、宇宙からエネルギーを受け取り、病人の体を「スキャン」する方法などが受講生の目の前で教授され、それは授業というよりはむしろ、演劇のようだったという。

・二度の逮捕

 こうした授業が開催されているとの情報をつかんだ治安当局は、司法からの逮捕状によって当人を逮捕、その後釈放した。

 当人は詐欺をやめることを約束したにもかかわらず、釈放後再び元の活動を再開、短期間中央アジアの某国を訪れた後、〔同地で〕名誉博士号を取得した。もちろん、このような博士号には価値も信用もない。

 この人物は、私たちは神の域に到達している、地上の世界を通過し天上世界に入っている、パラレルな世界で特別な人生を続けている、などと主張していた。

〔‥‥〕

 活動の再開により、巧みな言葉で人々の価値観や信仰を「徴用」しようとしたこの人物の活動の詳細について、治安当局は新たな証拠の収集に着手、この人物に対して三度目〔二度目の誤りか?〕の逮捕を行った。現在この人物は、〔‥‥〕背教を犯し、地上に頽廃を撒き散らした容疑でエヴィーン刑務所に収監されており、事件の審理完了をへて判決が下されるのを待っている状態だ。

 しかし逸脱団体「宇宙の神秘」のリーダーが逮捕されたことは、事件の終わりを意味するものではなかった。というのも、容疑者の指導を受けた一部幹部らが、ひそかに活動を続けており、こうした幹部らの特定・逮捕へ向けた努力がいまも続けられているからだ。

 この報告によると、ここ数日の間にバム県で逮捕された4人の容疑者は、いずれも逸脱団体のリーダーとの関係を認めているという。

 ある消息筋はこのことについて、ジャーメ・ジャム紙に「数日前にも、この逸脱集団に関わるCDやパンフレットを広範囲に配布していた人物3人が逮捕されており、彼らの取り調べは今も続いている」と指摘する。

 現在、配偶者が容疑者の暗示と詐欺のために家出をしたと訴えている被害者2名が、「宇宙の神秘」の幹部を告訴しているところだ。

Tweet
シェア


関連記事(メスバーフ=ヤズディー、「新たなバーブ教」が広がる危険性について警告)
関連記事(マカーレム=シーラーズィー、逸脱した宗教集団の広がりに警告「若者の信仰心を動揺させることが目的」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:佐藤佳奈 )
( 記事ID:22617 )