離婚、懸念すべき増加傾向に
2011年05月18日付 Iran 紙

【ファルバド・フェダーイー(福祉大学精神医療班長)】
 かつてとは異なり、ここ数年で、離婚を悪いことだと考える風潮がなくなっている。このため、国内の一部地域では、離婚率が懸念すべき上昇傾向にある。

 勿論、この数字は2組に1組が離婚するアメリカのような国とは比較しようもないことに注意する必要があるが、しかしそれでも、我が国における離婚増加率には懸念すべきものがある。

 さて、この問題で考えられる理由の一つは、女性の状況の変化である。つまり、イスラーム法に則って得られる個人の権利に関して、女性が多くの情報を得るようになった、ということである。

 また男性に比べ、高等教育を受ける女性たちが増えており、女性の間では就学熱も高い。女性の就業条件もますます向上してきており、自分の人生をどのように管理するか、そのための情報も能力も、女性たちはこれまで以上に手に入れるようになっている。こうした要因も、離婚の蔓延を引き起こしていると考えられている。

 実際、かつて女性の多くはいかに状況が厳しくとも、あらゆる犠牲を払ってでも結婚生活を継続させることを余儀なくされていたが、しかし現在、そのような強制的状況を感じることは少なくなっている。

 かつて、結婚は伝統的に家族の指導のもとで行われていたので、結果として長続きする傾向にあった。しかし現在は、家族が干渉せず、若い男女が知り合い仲良くなってから結婚を決意することが増えている。結婚が生活という現実ではなく、感情的問題を基礎として築かれているのである。

 結果として、こうした結婚では当初の激しい恋愛の炎が冷めると、夫婦の間に協調性がなくなり、そのことが原因で離婚に至る可能性が出てくるのである。残念ながら、今日はかつてとは違い、離婚はさほど不快なこととは見なされなくなっている。

 一方で、確かに個人的性格や行動を起因とする問題というものは常に社会に存在してきたが、「家族」や「結婚/離婚をめぐる夫婦の役割」といったものに対する見方が変化していることも事実だ。現在、女性たちは自分たちの権利を享受することに関心を抱いている。これに対して、男性は依然として伝統的な役割に固執しており、このことが時に相互理解の欠如やけんか、そして離婚につながっているのである。

 過重な婚資金が結婚生活の持続に好影響を与えていないことも確実だ。むしろそれは、結婚生活の始まりから、すでに生活の現実への無関心や、婚姻状態の維持に対する不信を如実に示すものなのである。実際、個人としても家族としても互いに理解がある夫婦は、過重な婚資金を設定するようなことは決してないのである。
〔※婚資金は離婚時に夫が妻に支払う慰謝料のことで、結婚時に契約書にその額をあらかじめ設定しておくもの〕

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( 翻訳者:上山詩織 )
( 記事ID:22649 )