Akif Bekiコラム:クルド系BDPと左派CHPの共闘を考える
2011年05月26日付 Radikal 紙
昨日(25日)の新聞各紙に、共和人民党におけるクルド問題解決案の写真付き解説が載った。平和民主党と共和人民党の間に設けられた、公正発展党に対する連合が写真と共に説明されていた。相互の利益による接近と見なすか、政治的な浮気と見なすかは、わからない。もはや何であれ、この関係性は十分な考察に値する。
事件は、この3日間にハッキャーリで起こっている。平和民主党党員達はエルドアン首相を出迎えるにあたって、ごみを収集せず、商店のシャッターを閉め、石や棒を使った抗議行為をおこなったが、クルチダルオール共和人民党党首のためにはいかなる犠牲も厭わないようだ。店舗は開けられ、路地は掃除され、辺りは共和人民党旗で飾られ、集会の広場がぎゅうぎゅう詰めになった。
写真の最初のコマは、平和民主党が敵対心を抱く公正発展党への反感と説明可能である。クルド人有権者の票を毎回公正発展党と分け合わざるを得ないことは、かれらを不快にしている。理解できる感情である。しかし、写真の二コマ目の説明は、それほど簡単でない。クルチダルオールCHP党首は、先回の選挙で共和人民党が票を失ったハッキャーリでこうした変化をいかに成功させることができたのだろうか?
「クルチダルオールは、かれらがCHP集会の活況の模様を見せれば平和民主党に投票所の監視員の定数(追加)を約束した」とあるニュースは報じる。「ギブアンドテイク」のアプローチによると、ウィン‐ウィンの方程式はこれである。結果、共和人民党は雰囲気を、平和民主党はというと、投票所の監視員の追加を得たそうだ。
ほかの情報では、平和民主党は、このCHP集会の支援の見返りに、共和人民党から過去の事件を調査する調査委員会(設置)、クルド語教育への障害除去、地方自治要求の支援などの公約を勝ち取ったと伝えられている。二党間の接近から、共和人民党側は南東アナトリアでの政治的パフォーマンスの可能性、一方平和民主党側は具体的なプロジェクトの承認ということが生じたようだ。
結果として平和民主党は、自身にとってより操作しやすい敵を創出している。見方を変えれば、投票の場で、誰と争うかを自分で決めて、自分の敵を自らの手で存在させている。困難で危険な公正発展党をクルド人有権者の目から外し、無害で従順とみなす共和人民党をその代わりに据える努力とも言える。
どちらが正しかろうと、結果的には共和人民党もクルド問題解決策を作ることになった。またクルド人有権者の票を欲するという意欲をはじめてこうした方法で明らかにしている。CHPが南東アナトリアにおける選択肢として公正発展党の代わりとされることには、平和民主党の手を介したとはいえ、上記の理由でとっくに賛成である。
要するに、共和人民党と平和民主党間で展開している連合の背後には公正発展党に対する敵対がある。「クルド人有権者の票を公正発展党が得なければ、誰が得てもよい」という理解のもと連合している。平和民主党に有益となりうるが、共和人民党に利益があるかどうかはかなり疑わしい。公正発展党が損失を受ければ十分とするなら、もちろん話は別であるが。
もちろん、平和民主党が集会会場を満杯にしたとて共和人民党に票が入るとは考えられない。共和人民党が目にした混雑した広場のわずかな写真は、幾分つづく光景になりうる。つまり、希望的観測である。
敗者が当初から明確であることにより、こうした戯れの勝者もただひとりということだ。最後には平和民主党が票を手にし、共和人民党は教訓を得ることになるだろう、このやり取りから。そうだとしても、共和人民党がクルド人有権者に呼び掛ける政党となることは、民主化にとって得難い重要なステップであると思う。
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:22659 )