レバノン南部で国連レバノン暫定軍の兵士6名が負傷
2011年05月27日付 al-Quds al-Arabi 紙


■レバノンでの攻撃で国連軍の兵士6名が負傷

2011年05月27日『クドゥス・アラビー』

【ロイター:ベイルート】

イタリア軍の参謀長は、金曜日[27日]レバノン南部の都市サイダ市(シドン)近くで国連軍の車両に爆弾が爆発し平和維持軍のイタリア兵6名が負傷した発表した。この種の攻撃は三年ぶりのことである。

この発表に先立ち、レバノン治安筋は、平和維持軍の要員の一人がこの攻撃で死亡したと述べていた。この攻撃は、サイド市に向かう混雑した高速道路で発生し、道で灰色の煙りがたちこめていたという。

UNIFIL(国連レバノン暫定軍)のアンドレア・テネンティ(Andrea・Tenenti)報道官は、ロイターに「5名は中程度の負傷だが、1名は重傷である。」と語った。

イタリア[兵へ]の攻撃を受け、イタリア政府はレバノン南部に駐留するイタリア人兵士の数を減らす方針であると発表した。イタリアはUNIFILの中で最大の1700人の兵士を駐留させていた。また、UNIFILの前司令官はイタリア人であった。

ロイターの写真は、爆発の威力で高速道路のコンクリートのフェンスの一部が粉々になり、白いジープの窓が割れ、道路に破片が散乱している様子を示している。また、運転手の顔や両手、腹も血まみれであった。

別の写真ではUNIFILの2名の顔が血だらけで、破壊された車からでてきた彼らはショックで硬直していた様子がわかる。この攻撃は、ベイルートから約35キロ離れたところに位置する港に近い村でおきた。そこは、パレスチナ難民キャンプのアイン・アル=ヒルワに近いが、同キャンプは過激なイスラーム主義勢力の拠点として知られている。

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は世界中で平和維持活動のミッション中に亡くなった同胞たちを思いだし偲ぶ日に起きた攻撃を厳しく批難した。

また、同氏は「国連はレバノン当局緊密に連携し完全かつ迅速な事件の捜査を行い、犯人を司法の下に突き出す。」とも語った。

[今回の攻撃をのぞく]UNIFILに対する一番最近の攻撃は、アイルランド軍の2名が軽傷を負った2008年1月の攻撃である。その攻撃は、道路脇の爆弾で車両を爆破する攻撃だったが、攻撃場所は今回の攻撃が起こった場所の近くであった。

2006年の安保理決議1701に基づき、レバノン南部のUNIFILの部隊は兵員・及び海軍の要員約12000人に拡大した。同決議は、レバノン南部でのヒズブッラーとイスラエルの間の戦争をやめさせるためのものである。

UNIFILは、レバノンの南部に展開するレバノン軍の1万5000人とともに、イスラエルとの国境沿いの平和維持のため活動している。この活動は、レバノンとイスラエルとの国境地域で武器の輸送活動が行われないことを確認するための活動である。レバノンとイスラエルとの国境地域は、ヒズブッラーの戦闘員の拠点と考えられている。

国境地帯は時折暴力行為はみられるものの、概ね平穏を保っている。[時折みられる暴力行為とは、]レバノン軍と治安部隊の消息筋が語ったように、今月パレスチナ人のデモ参加者10名が、イスラエル軍によるレバノン側にいたデモ隊への発砲で殺害された。
また、イスラエル軍の上級士官とレバノン人兵士2名とレバノン人のジャーナリストが2010年8月に国境でイスラエル軍とレバノン軍が交戦した際に死亡した。

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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:22666 )