これだからトルコ!―1500年前の石棺に、交通標識
2011年05月27日付 Radikal 紙


エライウッサ古代都市から出土した1500年前の石棺を、人々は、動物用の水桶、薪入れ、ごみ箱などとして使っている。これに加えて、町当局は、交通標識という利用法を生みだした。

メルスィン県のエライウッサ・セバステ(Elaiussa Sebaste)古代遺跡の北東角にある墓地跡(ネクロポリス)にある神殿の墓室、死者の部屋、石棺などがいかにひどい状態におかれているかは、見る人を驚愕させている。地中から掘り出させた石棺は、動物が水を飲むための水桶、部屋の壁、薪入れ、かまど、ごみ箱などとして用いられている。アヤシュ町はというと、一部の石棺を地中から掘り出し、街区内や通りの角にもってきて置き、上に道路標識や地名板をとりつけている。

■雑誌に通報

アクチュエル考古学誌にドアナイ・デミルデレンと名乗る読者から届いた通報と写真は、雑誌編集らを驚かせるに十分なものだった。編集者らは、次の号を待つことなく、「緊急!重要!」というタイトルで、この件をインターネット・サイトに掲載した。来月でる次号でこの件を特集するという編集者らは、この件を訴えるため、文化観光省に緊急の要請を行った。

法律2863号65項には、「動かすことのできない、保護されるべき文化・自然遺産が、破壊、欠損、損傷、消滅することになる行為を意図的に行ったものは、2年から5年の禁固刑、または、5000日までの行政罰金に処せられる」とある。しかし、メルスィン県エルデムリ郡アヤシュ町役場の境域内にある古代遺跡でおきたスキャンダルに対し、文化観光省も、地方自治体も、何の動きを見せていない。

■発掘隊もだんまり

エライウッサ遺跡は、1995年以来、イタリア・ローマのサピエンザ大学によって発掘されている。この地域で学術研究を行っている同大グループは、ネクロポリスでのこの殺人的事件に対し、無言を守っている。メルスィン博物館や、アンタリヤ保護協会も、この「無言」に加わっているため、人々は、これらの1500年前の遺物を好き勝手につかうことに遠慮がなくなっている。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:22668 )