CIA(アメリカ中央情報局)は、ギリシャが経済危機によって統制がきかなくなり、クーデターが生じる可能性があると警告した。
経済危機と闘っているギリシャは困難な日々を過ごしている。ほぼ毎日のように、この国の現状に関し、いろいろな意見が出されている。最新の主張はドイツのビルド紙のものである。ビルド紙によれば、ギリシャでクーデターが起こるかもしれないというのだ。
CIAレポートに基づくとされる情報によれば、アメリカの情報機関は、ギリシャにおいて暴動が起きる可能性が徐々に増大していること、さらにクーデターでさえ生じる可能性があることを警告した。これによれば、緊縮経済政策政策(財政健全化政策)のため、状況が徐々に緊迫化してきたギリシャにおいて、アテネ政府による統制が徐々に困難になる可能性があるというのだ。アテネ市長ヨルゴ・カミニスは、少し前に、内戦に似た状況が生じる可能性を警告しており、アテネが1970年代のレバノンの首都ベイルートのようになる危険性について言及していた。
■ 現在は政治危機も
また一方で、経済危機を克服しようとする努力の最中に、政府はさらなる打撃を被った。EUが望んでいる緊縮経済政策について、野党との合意を呼びかけているパパンドレウ首相は、他の政党と緊縮経済政策について合意することが出来なかった。この状況はギリシャが新たな借款をすることを妨げている。IMF(国際通貨基金)は、ギリシャが行う予定の借款の為には、与野党間の合意を条件としている。この状況において、パパンドレウ首相の合意呼びかけが成功しなくとも、緊縮経済政策を実行する予定であることを明らかにしている。
■ 融資停止の可能性あり
ギリシャにおいてこのように事態が進展する中、ユーロ圏内の財務大臣達がアテネ政府に警告を発した。財務大臣達を代表して発表を行ったルクセンブルクのジャン=クロード・ユンケル首相は、ギリシャが12ヶ月分の支払い能力を保証できないために、IMFの規定に則り、融資を停止する可能性に言及した。ギリシャに6月29日に120億ユーロの支援が行われる予定であり、この内33億ユーロは、IMFによって支払われる予定である。この支払いは、ギリシャに与えられる五度目の金融支援になる。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:22684 )