首相遊説のホパ大混乱―催涙弾、投石で市民1名死亡、護衛負傷
2011年05月31日付 Radikal 紙


アルトヴィン県ホパにおけるレジェプ・タイイプ・エルドアン首相による選挙集会で起きた事件は大きな影響を与えた。町は戦場と化し、この事件では警察が放った催涙ガスのために元教師メティン・ロクムジュ氏が死亡した。選挙集会後に(首相の)車列への投石により、護衛一名が車から落ちた。

エルドアン首相が選挙集会のために訪れたアルトヴィン県ホパにて、エルドアン首相の選挙集会に反対する左派グループら、及び市民と警察の間で衝突が生じた。情報によると、警察が催涙ガス爆弾を放ち、それを受けた54歳の元教師メティン・ロクムジュ氏が死亡、またデモ参加者らの投石により首相の護衛が車から落ち、頭部出血の重傷を負った。

■時々刻々、ホパでの緊張

午前9時半:エルドアン首相は、左派系住民の多いホパにて午前11時に選挙集会を実施することを公表し、社会主義系組織はデモ決行を決定した。エルドアン首相の選挙集会のため、海岸沿いにあるバスターミナルの敷地で準備がなされていた。自由団結党(ÖDP)、被抑圧者社会主義政党(ESP)、ハルク・エヴレリ(人民の家)、及び共和人民党(CHP)メンバーらは、ホパ広場に集合した。二つの場所の間には3車線のカラデニズ高速道路が通っている。

午前10時:ホパ市民は、袋笛とともにホロン(黒海地方のヴァイオリンに類似した弦楽器)をならし、シュプレヒコールをあげ始めた。人数は1,000人に到達しようとしていた。広場に面したビルのCHPの横断幕には、「公正発展党(AKP)はホパから出て行け」と書かれており、「学生野党」の署名入りの2つの横断幕も掲げられていた。他の横断幕はハルク・エヴレリ(人民の家)のものであった。横断幕には、「水は権利である。売ることは出来ない」と書かれていた。

午前10時半:警察は、30分後に選挙集会が開始されるため、広場から出ていくよう伝えた。同時に、ヘリコプター3機が広場上空を低空飛行していた。警察はビルに上り、横断幕を引きずり下ろした。最初の緊張はこれを機に始まった。

午前11時~午後14時:警察は催涙ガス爆弾を放ち、放水車から放水し介入した。デモ隊らは道にある石を投げた。町は戦場と化した。デモ参加者及び警察の負傷者ら、唐辛子ガスの被害を受けた多くの人々はホパ国立病院に運ばれた。衝突は町の至るところで拡大した。54歳の元教師メティン・ロクムジュ氏は、目撃者によると、ガスを吸い、一撃をくらったことから死亡した。このニュースが広がると、ホパは完全に混乱に陥った。

午後12時:エルドアン首相は2,000人以上が参加した選挙集会で、CHP党首クルチダルオール氏のハッキャーリでの選挙集会に言及しつつ、「(CHPは)ハッキャーリで平和民主党(BDP)と(選挙協力の)合意をしている。BDP党員の手に、CHP旗を渡している。なぜなら、(ハッキャーリでは)CHP票を獲得できないからだ。(ハッキャーリでの)選挙集会にてトルコ国旗は見られない。(これと同様のことが)ホパでもおこりうる。これに対し、我々は真向から反対します」と述べた。

午後14時:エルドアン首相は、選挙集会後、選挙用バスにてヘリコプター滑走路のある場所に向けて出発した。この間、走り出した車列に投石があった。警察隊が警戒砲を放つ一方で、首相護衛警官は頭部に命中した石により負傷し、(車から)道路上に倒れて引きずられた。頭部出血した護衛警官は、リゼ国立病院に運ばれた。

午後16時:ヘリコプターでトラブゾンに向かったエルドアン首相は、ホパでの衝突に言及し、次のように話した。
「お待たせしました。神に免じて許してください。というのも、ホパに山賊が(山から)降りてきたのを知らなかったのです。どうも山賊がホパに現れたらしいのです。手に石をもった山賊らはホパにもやって来たらしいのです。そして、残念なことに石を我々の車列に投げたのです。興味深いのは、CHPの巨大な横断幕を携えた人々が、こうしたことをやっているのです。このことを(皆さんに)知ってもらいたいと思います。(AKPに対抗する)唯一の方法は町(に出てデモを行うこと)だと、唯一の方法は革命だと主張しています。
(横断幕の)下にある署名は、ハルク・エヴレリ(人民の家)と書かれています。CHPが、そのそばに掲げられたこのような横断幕に目をつぶるということは、どのようなことを意味するのか我々はハッキャーリでも知りました。あそこでも(CHPは)BDP側の人々にCHP旗を渡しました。そこではトルコ国旗が見られたでしょうか。いいえ、ありませんでした。幾度も映像を調べました、観ました。ああわが同胞よ、このCHP、このクルチダルオール、そしてその取り巻きに対して、6月12日に釈明を求めようではありませんか。さぁ、誰が誰と手を取り歩くのか見物することにしましょう。
さて、皆さんご覧になっているがCHPはBDPと手をつないでいる。西部や内陸アナトリア地方おいても、ご覧になるようにCHP、民族主義者行動党(MHP)、BDPは手をつないでいる。彼らは同様のことを国民投票の際に行っていませんでしたか?国民投票でCHP、MHP、BDP、トルコ共産党(TKP)、ハルク・エヴレリ(人民の家)、及び非合法組織は共同していませんでしたか。今回も同様のことをしています。(彼らの)標的はAKPであります」

■文民調査官2名の任命

他方、内務省は、ホパでのAKPの選挙集会で起きた事件に関して、調査を開始した。内務省は、事件に関する調査のために2名の文民調査委員長と軍警察官、及び治安調査官を任命した。

■アルトヴィン県の無所属国会議員候補で社会主義者のビルセン・カヤ氏

ホパ市民、ESP、ÖDP、ハルク・エヴレリ(人民の家)は、選挙集会前の午前9時にホパ広場に集合していた。エルドアン首相の選挙集会が開催される場所は、海岸沿いで、バスターミナルと呼ばれる広場だった。我々の広場とそのバスターミナルの間には高速道路が通っていた。我々は、エルドアン首相の選挙集会前にホロンを用いてシュプレヒコールを放った。約1,000人がいた。ホパは次のような状況にある。人々が作った紅茶は、各方面に普及している。チャイクル(紅茶販売会社)は割当のために(ホパで生産された紅茶葉を)購入しない。民間会社も購入しない。水力発電所に関して、市民は反発していた。こうした緊張があった。午前10時に群衆は次第に増加した。
この間、警察は我々に「解散しなさい、この集会は非合法である」と言った。我々は正当な、合法的な集まりだと言った。しかし警察は催涙ガスにて攻撃した。実に驚くほどの警察力があった。(こうして)ホパ市民も(警察と)衝突することになった。
エルドアン首相の選挙集会は午後15時頃に開始された。選挙集会が行われている一方、町中では衝突が続いていた。催涙ガス爆弾が投げられ、放水車からは放水がなされた。人々は街路に集まり、再結集した。老いも若きもホパ市民は町中に出た。仕事を終えた人々も参加していた。この間、教職員労働組合の元教師メティン・ロクムジュ氏が警棒の一振りにより死亡したという連絡が入った。
エルドアン首相は、午後15時頃にやって来た。辺りでは何事もなかったかのように、何百人もの人々が町中になどあふれてはいなかったかのように、国境貿易に関して演説を行い、去っていった。彼が演説をしている一方で、町の至るところで衝突が生じていた。催涙ガス爆弾もあった。(エルドアン首相は)ホパ市民でない人々に演説していたのだ。リゼ、エルジンジャン、エルズルムから集団で、動員がかけられていた。ホパ市民は町中で警察と衝突していた。ホパの至るところでガスが充満した。ガスの(放たれて)ない路地はなかった。エルドアン首相がいた場所を除き、全ての場所はガスで充満していた。彼の選挙集会に参加していた人々でさえガスの被害を受けた。警察は地面に這い、群衆に向けて発砲した。アルトヴィン県民は、決して時代遅れの精神構造に服従しなかった。(ホパ市民は)社会主義者を支持することを表明した、そうした路線をとっている住民なのだ。

■ÖDP・PMメンバー/ホパ市長候補のユスフ・イェディギュル氏

エルドアン首相は、1週間前に選挙集会開催を決定した。ここ4~5日、ホパでは新しい選挙集会会場が準備された。全ての公務員が(その準備に)集中した。今日も午前11時に演説があったが、その選挙集会に参加しない進歩的な考えの人間として我々はホパ広場に集合した。いろいろな集団がいた。1,000人程の人々がいた。このようにとても組織化された状況ではなかった。デモをするか、しないか、抗議の意を示そうか、示さまいか、と思案していた。その間、袋笛を吹いていた。午前11時に近づいたため、(警察は我々に広場から)解散するように言った。
我々は次のように言った。二つの広場の間に3車線道路が走っている。選挙集会場所は我々から遠い、どうして行けるだろうか。一瞬考えた際に、(警察に)一気に攻撃された。放水され、催涙ガス爆弾、唐辛子ガス等。(警察の)攻撃により、我々の仲間の一人が亡くなった。我々はこの知らせを後から聞いた。午前10時半以降も攻撃は続いた。発砲、商店のシャッターを下ろさせるなどなど、こうしたことを初めて見た。この状況に多くの人々は反発した。若者だけでなく、商店主らも年寄りも怒っていた。
外部から警官らが動員されたようだ。あたかもホパでクーデターでも起きたかのような、非常事態がつくりあげられた。二つの通りでも催涙ガス爆弾と唐辛子ガスが放たれた。我々は広場に面したビルに、紅茶葉生産者の要求とHES(水力発電所)に反対する横断幕を掲げていただけだ。それとCHPの横断幕もあった。CHPの候補者リスト第二位で、前国会議員のユクセル・チョルバジュオール氏もその場にいて、ガスを吸った。メティン・ロクムジュ氏は殴られ、ガスの被害にもあったと聞いた。肋骨にもひびが入っていたと言われている。

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:22728 )