アメンホテプ3世の彫像発見
2011年06月01日付 al-Hayat 紙

■アメンホテプ3世の彫像発見

2011年06月01日『アル=ハヤート』

【カイロ:マルセル・ナスル】

Hourig Sourouzian氏をリーダーとするエジプト・ヨーロッパ共同遺跡発掘隊が、アメンホテプ3世(紀元前1352年~1390年)の巨大な像を発掘したと発表した。アメンホテプ3世は、一神教改革を行ったイクナートンの父であり、黄金王ツタンカーメンの祖父にあたる。像はルクソール西岸コウム・エル・ヒーターン地区にある、アメンホテプ3世の葬祭殿周辺の発掘調査中に発掘された。

彫像は縞大理石製の座像で、ファラオの象徴である“ネメス”と呼ばれる頭巾を被り、あごにもファラオの証であるつけひげが装飾されている。また発掘隊は、頭部と離れてしまった胴体部も、アメンホテプ3世葬祭殿の第3パイロン(塔門)に至る回廊部分を発掘作
業中に発見した。

Sourouzian氏は「この発見は最も重要な考古学的発見の1つに数えられる。なぜなら、古代エジプト美術、特に彫刻における、従来知られていたものとは異なる様式を示しているからだ。というのもこの彫像の原石である縞大理石の産地は中部エジプトのハトヌーブだが、古代エジプトで彫像がこの石で作られた例というのは稀有であるからだ」と述べた。

同氏はさらに、発掘隊は花崗閃緑岩製の像の頭部を、中庭の中心部で遺物の清掃と記録作業を行っている最中に発見したと語った。

像の頭部の高さは約28.5cm、かつらを被っており、つけひげの部分も壊れずに残っている。

また、考古学局長のムハンマド・アブドゥルファターフ氏は「調査隊は、アメンホテプ3世葬祭殿の中庭で発見された、ヘリオポリスにあるジャバル=アフマル原産の花崗閃緑岩から彫り出されたレリーフの破片の修復作業も行った」と述べた。

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( 翻訳者:小島明 )
( 記事ID:22733 )