BDP系無所属候補のディヤルバクル集会、クルド「自治区」焦点
2011年06月04日付 Radikal 紙
ディヤルバクル駅前広場でBDP系無所属候補の選挙集会が行われた。集会場所では無所属候補を代表しシェラフェッティン・エルチ氏と平和民主党(BDP)のフィリズ・コチャリ共同党首がスピーチを行った。コチャリ共同党首は「2つの地域からなる1つのトルコを受入よ。うち1地域はクルディスタン自治区となる」と述べた。
ディヤルバクルで無所属候補らが集会を行い、数千人が参加した。駅前広場で行われた集会では、会場の外で壁を作ってセキュリティ対策が取られた。集会の警備には戦車や装甲車も動員され、クルド語とトルコ語のスローガンやアブドゥッラー・オジャランのポスターとともにスピーチが行われた。
集会のはじめに中央委員会委員のズュベイデ・ズュムリュト氏が、広場のBDP党員の中で最初に呼びかけた。ズュムリュト氏は民主的自治区の宣言に備えよと呼びかけ、BDPのアリ・アイドゥン国会議員が「自治に祝福を」と述べて支持した。集会には無所属候補のうちシェラフェッティン・エルチ氏、アルタン・タン氏、レイラ・ザナ氏、ヌルセル・アイドアン氏、エミネ・アイナ氏も参加し、オスマン・バイデミル、ハミト・ゲイラニ、バイラム・ボズイェル各氏も参加した。無所属候補を代表してスピーチを行ったフィリズ・コチャリBDP共同党首は次のように述べた。
(中略)
■「2つの地域からなる1つのトルコを認めよ」
「エルドアン首相が新たな憲法と呼ぶものを見てはならない。不可変条項に関しては一言も言わなかった。ただ中身のない新憲法について言及しているのみである。人々が同等でない憲法に我々は決して賛成しない。新たな憲法は我々の参加によって民主的なものとなりうる。我々は準備ができている。1921年憲法のように民主的な民族の魂の一環としてこの憲法を皆で一緒に作ろう。エルドアン首相は、一つの国旗、一つの民族だけでなく、ただ一人のリーダーとなることを望んでいる。私たちはファシストの独裁ではなく、民主的な共和国を望んでいる。トルコを25に分けなくとも、トルコを2つの地域からなる1つのトルコを認めてはどうだ。うち1つの地域はクルド自治区となる。清算をしに来たといいながら、頭上には警備のヘリコプターだ。ハリル・イブラヒム・オルチの母から許しをえられると思うのか。首相は、我々の政党をテロ組織と宣言した。この民衆がだれを好んだとしても、首相は彼をテロリストもしくはテロ組織だと宣言している。否定の政治は終わったと言っているが、同化と否定を終わらせたのはこの民衆である。世界はあなたが否定するのかを知っている。」
(中略)
シェラフェッティン・エルチ氏は「このスピーチをトルコ語で行おうと思う」と述べ、エルドアン首相のディヤルバクル集会を大いに批判した。エルチ氏は次のように述べた。
■「カダフィやアサドへの助言や人々の声に耳を傾けよ」
「あなたたちは、カダフィ大佐やアサド大統領に助言するかわりに、人々の声に耳を傾けるべきである。ここへ来て、クルドの民の声に耳を傾けよ。ディヤルバクルは、クルド人の名誉、明日の希望である。この広場でクルド人たちの意志が明らかになった。クルド人たちは、民主的で武器のない平和の場所に帰ることを望んでいる。この行動のリーダーであるオジャラン氏は非常にはっきりと明確に表現している。オジャラン氏は何を言っているのか。「16年来、武器による戦いを民主的な戦いに変えるための努力をしている。」この声に耳を傾けるべきである。(山にいる)ゲリラの人々も、名誉ある平和が保証されれば、山から下りる準備がある。我々の民衆にむけ、武器に拠らない戦いを提供する準備がある。私たちが言っているのは、民主的な権利模索の道を開くべきだということだ。流血が止められ、母親たちの心配が終わるよう。なのに、あなたたちは、絶えずこの民衆を戦場に引きよせ、戦わせようと可能なことをなんでもやっている。」
■「私のように刑務所に行った者たちは鋼鉄のようになって出て戦っている」
警察は、この民衆を挑発するために謂れなく民衆に圧力を加えている。首相よ、あなたは平和を築くことを望み、平穏への収束を望んでいるのならば、兵士に軍事行動を止めさせよ。警察を抑えよ。我々は政治的地位を望んでいる。なぜなら、我々は歴史的にみても、地理的にみても、この地域で多数派であるからだ。自分たちの言語をもち、民族的アイデンティティを持ち、国連の尺度によっても、1つの「国民」である。我々は一つの「国民」としての地位を望んでいる。世界の国民が持つ権利を、我々も望んでいる。前進も後退もしない。平等を望んでいる。怒れる若者たちの後には暴風のような子供たちがやってくる。我々と平和を構築する機会を逸すれば、暴風のような次世代の子供たちと平和を作るのはさらに難しくなるだろう。一刻も早く、冷静に考えよう。今日まで行われた政治によって、クルド人たちを殺害することで、その存在を消すことはできない。1人を殺害すれば1000人が生まれる。殉教者はクルド民衆の歴史に刻まれた。あなたたちは、我々の若者たちを刑務所で腐らせようとしているが、彼らの頭をたれさせることも、彼らを変えることもできない。私のように刑務所に入った者たちは鋼鉄のようになって出てくる。刑務所から、より高い意識、教育、勇気をもってでてきて、戦いに貢献しているのだ。」
■「すべてのクルド人のためクルディスタン総会」
「あなたたちはこの民衆を飢えによって操ることはできない。この民衆は誇りに生命を賭ける準備があり、ふた口の食べ物のため名誉を売ることはない。クルド人が求めているものは、過剰なものではない。我々は自分たちの自治を望んでいる。我々は自由な国民として、自分たちの自由な意志や言葉によって、この国土における主権と自治を望んでいる。クルド人が圧迫されてきた最大の原因は、結束がなかったことである。しかし、我々は統一への一歩を踏み出した。(これを聞いて)一部の人はあわてふためいただろう。この結束をさらに発展させる。イラクのクルド人地域に私たちは行って抱き合い、合意に至った。クルディスタン総会の名のもと1つの総会を作るという決定をした。いかなる国のクルド人も1人きりだと感じなくなるだろう。」
(後略)
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:22768 )