トプカプ宮殿オルタイル館長、館員の職務態度へ「勅令」
2011年06月08日付 Radikal 紙
トプカプ宮殿のユスフ・ベンリ局長がセリム3世の玉座を宿舎へ移動させようとしたこと及びメジディエ・キョシュクにて歴史的作品の上で朝食をとったことが明らかになったことを受け、イルベル・オルタイル館長はトプカプ宮殿の館員へ通達を出した。
オスマン語で書かれた「勅令」のような通達で、オルタイル館長はベンリ局長がセリム3世の玉座を宿舎へ移動させようとしたことにも言及している。
「宮殿と作品の保護及び場所の移動は、個人の財産のように考えられることでなく、謙虚なる奉仕者の敬意と畏敬に満ちた働きにより行われるべきである。作品の場所を自分の好きなように変えることは、宮殿の作品管理においても複雑な問題を生み出すことになる。」
トプカプ宮殿のユスフ・ベンリ局長は、ハレムで長年展示されてきたセリム3世の玉座を宿舎へ移動させたがり、宿舎のドアを通らないとわかると「(ドアを)壊すように」との指示を出した。しかし(宿舎の)中にあるドアも通らないとわかると、玉座を倉庫へ戻すはめになった。さらにベンリ局長がメジディエ・キョシュクにて歴史的作品の上で客人をもてなしたとも主張されている。6月3日付のラディカル紙の見出しに掲載された記事は反響を呼び、文化観光省は文化財・博物館総局のズルキュフ・ユルマズ副局長を調査係として派遣した。
■「御前」からの警告
歴史学教授でもあるトプカプ宮殿のイルベル・オルタイル館長は知らせを受け専門家らと会議を開いた。オルタイル館長は会議後、全館職員に向け通達を出した。その一部は以下の通りである。
「ここ最近宮殿のハレムでヒュンキャールの食卓、バーダト・キョシュクやレヴァン・キョシュクのような場所でチャイが飲まれ、メジディエ・キョシュクで博物館局長らと会議が行われ、メジディエ・キョシュクにあるヒュンキャールのコーヒー部屋で客人をもてなされたこと、同様のことがバーダト・キョシュクでも行われたことが、残念ながら大臣閣下により警告されました。このような利用が関係者の許可を得ずに行われ、館長にも知らされていなかったことが、誠に悲しいことながら報告されています。公共心のある役人はこのような不適切な利用を不快に思うはずです。」
通達ではさらに、建築による瓦礫が乱雑に廃棄されたことについても強調された。オルタイル館長は警告の中で、瓦礫を無造作に回収してはならないと述べた。
■瓦礫の中からタイル出現
「レヴァン・キョシュクで乱雑に持ち上げられた瓦礫の山から偶然タイルが発見されました。トプカプ宮殿博物館の管理者から一番下の職員に至るまで、共にこの国の記念建造物に奉仕する者であることを忘れてはならないと、今一度思い出していただきたい。これに反する態度は敬愛なる大臣も仰ったように、良く思われないでしょう。」
■宮殿の明かりは夜通し消えず!
文化財・博物館総局のズルキュフ・ユルマズ副局長は、先週土曜日にトプカプ宮殿博物館で任務を開始した。博物館の専門家、警備員、玉座を運んだ者一人ひとりに事情聴取した。事情聴取は3日に渡り深夜まで続いた。博物館局長が玉座を移動させようとしたことに関し、「倉庫には湿気がありました。宿舎(での保管)がより適切であると考えたのです」との供述に博物館館員らは「同じ倉庫にある3000以上の作品は可哀相のではないのか」と批判した。
監査局からの調査員でなく、省の職員から調査係が送られたことにも疑問が呈され、エルトゥールル・ギュナイ文化観光相は昨日監査局へ捜査許可を出した。今週監査者が博物館を訪れると報告された。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:22814 )