大統領が出席したイラン最大の精油所建設プロジェクトの始業式で爆発事故:4人が死亡、25人が負傷
2011年05月25日付 Jam-e Jam 紙
「イランは、すべてのイスラーム諸国の産業、そして産油国の石油産業を革新させる用意がある」。
マフムード・アフマディーネジャード大統領は昨日、「アーバーダーン精油所革新プロジェクト第三フェーズ」の第一期始業式に参加し、同精油所の従業員らの前でこのような演説を行った。他方、複数の通信社は、アーバーダーン精油所のプロセス・ユニットの一つで爆発と火災が発生したため、今回の式典が途中で終了、同施設の従業員に複数の死傷者が出たことを報じた。
最近になって石油相代行を自任しているアフマディーネジャード大統領の手によって、昨日アーバーダーン精油所第三フェーズの正式な始業がスタートするはずだった。計画では、今回の壮大な計画の始業により、国内の一日のガソリン生産量は400万リットル以上増え、我が国の石油産業の歴史に新たな名誉が書き込まれる予定だった。
(中略)
メフル通信によると、この巨大なユニットの運用によって、アーバーダーン精油所の一日の生産量は1000万リットルから1600万リットルに増加、第一期ではオクタン価94パーセントのスーパーガソリンを420万リットル生産し、残りの第二期では、この精油所でのスーパーガソリンの生産がさらに200万リットル増加する見込みだったという。
(中略)
火災の原因は何だったのか?
通信各社の発表によれば、アーバーダーン精油所のプロセス・ユニットでのガス漏れが、精油所における今回の爆発と火災の根本的な原因であったという。他方、漏れ広がった有毒ガスが、従業員の一部に中毒症状を引き起こした。昨日朝、イラン国営精製石油製品会社もまた、アーバーダーン精油所第三フェーズにおける火災の原因を発表している。
(中略)
この事故は意図的な破壊工作によるものではない
国会エネルギー委員会の委員長は昨日、専門家たちは以前から、アーバーダーン精油所は始業準備が整っていないことを警告していたと指摘し、「アーバーダーン精油所の問題は技術的なものである」と付け加えた。
国会エネルギー委員会のハミード・レザー・カートウズィヤーン委員長は昨日、国会公開会議が行われているなか記者らの前に立ち、アーバーダーン精油所の事故について言及、「この事件は意図的な破壊工作によるものではなかった」と述べた。
同委員長は、専門家たちは以前からアーバーダーン精油所は始業準備が整っていないことを警告していたと指摘し、「アーバーダーン精油所の問題は技術的なものだった」と加えた。
アーバーダーン選出の国会議員も、「以前に行った実験をみれば、アーバーダーン精油所プロジェクト始業式典において火災が発生する可能性は予見できた。我々はこの式典の中止を求めていたのである」と述べた。
(中略)
一方、ニュースサイト「アーヤンデ」は、アーバーダーン精油所代表のメフラバーン氏が始業式典への出席を拒んでいたと伝えた。その理由について、同氏は始業式典の責任を負うことはできないと語っていたという。結果、精油所の経営委員会の委員長が代わりに、始業式典で演説の任を請け負ったとされる。
ニュースサイト「アスレ・イラン」も昨日この情報を報じ、「護憲評議会の反対を無視して、石油相代行を兼務しているアフマディーネジャードは、プロジェクトの始業を強行した。しかし、設備の取り付け作業はまさに先週終了したばかりで、まだ始業準備は出来ていなかったと言われている」と記している。
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( 翻訳者:三浦由佳理 )
( 記事ID:22848 )