公式結果ではないが、ビデオテープスキャンダルや民族主義者行動党(MHP)からの除名処分にもかかわらず議員立候補を辞退しなかったイフサン・バルッチュ氏が議員に当選した。
バルッチュ氏は同じくビデオテープスキャンダルにより辞退したメフメト・タイタク氏の代わりに3位で当選した。
選挙前のビデオテープスキャンダルに揺らいだ民族主義者行動党(MHP)は、ビデオテープスキャンダルで名前が挙がったが断固立候補を辞退しなかったイフサン・バルッチュ氏の、イスタンブル第三区での3位当選という更なるショックを受けた。
バルッチュ氏は、ビデオテープが「異なる理想主義」という名のインターネットサイトに載せられ、バフチェリ党首の説得にも関わらず立候補辞退をしなかった。民族主義者行動党執行部はこれに関し、バルッチュ氏を党から除名し、高等選挙委員会(YSK)にもバルッチュ氏について訴えた。しかし高等選挙委員会は、バルッチュ氏が民族主義者行動党の候補者として認められうるという結論に達した。
民族主義者行動党はイスタンブル第三区から3名の議員を輩出する一方、最初の候補者リストで4位だったバルッチュ氏が同じくビデオテープスキャンダルで名前が挙がったメフメト・タイタク氏の辞退により3位に繰り上がった。バルッチュ氏は無所属議員として政治活動を続ける事と思われる。イスタンブル第三区では民族主義者行動党からこの他に第一候補のメラル・アクシェネル氏とアティッラ・カヤ副党首が議会入りした。
■民族主義者行動党は得票率制限を越えた
投票の終了と共に民族主義者行動党では緊張の開票待ちが始まった。多くの党員や記者は、党本部の正面と入口に設えられた2つの巨大スクリーンで結果を見守っている。民族主義者行動党は現時点で13.24パーセントの票を獲得した。民族主義者行動党の本部では選挙結果がすぐに分かるようにあらゆる準備がなされている状態だ。多くの党員が選挙結果を知り、自分の党を支援するため党本部に詰めかけた。党員だけでなく多くの生放送のメディアも民族主義者行動党本部前に陣取った。党員と報道陣のため、党本部の正面と入口に2つの巨大スクリーンが設えられた。また、党本部1階も生放送用に準備された。
■バフチェリ党首は党本部に
アンカラで投票した民族主義者行動党バフチェリ党首は、選挙結果を3階の党首室で見守っており、多くの選挙区にいる支部長からの情報も常に得ている。一方、選挙の禁止事項となっているにもかかわらず、党本部とその周辺に党旗がはためいているのが注目された。
■ビデオテープの影響は受けず、民族主義者行動党は得票率制限を超えた
まだ公式な結果ではないが、民族主義者行動党は9人の執行部の辞職を招いたビデオテープ騒動により、10パーセントの得票率制限を越えられない可能性があるともされていたが、この制限を超えた。48.52パーセントの票が開票された時点で、この割合によると民族主義者行動党は13.29パーセントの票を獲得した。民族主義者行動党は2007年7月22日の選挙では14.29パーセントの票を獲得している。非公式な結果によれば、民族主義者行動党が獲得した票の割合は、2007年の選挙と比べ、1パーセントの票を失ったこととなる。
■民族主義者行動党では複雑な喜び
民族主義者行動党本部前の盛り上がりは複雑な喜びへと変わった。民族主義者行動党は得票率制限を越えたものの、期待されていた得票率に届かなかったため、党員は失望した。
約80パーセントの票が開票されたその時点で、民族主義者行動党本部前で待つ党員たちは複雑な喜びに包まれている。結果を党本部の入口に設えられた巨大スクリーンで見守る党員たちの興奮は、民族主義者行動党が得票数制限を超えたにもかかわらず、期待されていた得票率に届かなかったため、やんでしまった。党本部において、現時点での結果に党執行部は満足していない。
結果を3階にある党首室でテレビで見守っている民族主義者行動党デヴレト・バフチェリ党首は、最終的な結果が出た後に会見を行うとされている。
■民族主義者行動党の静寂
国会議員総選挙の最初の結果発表が始まってから、民族主義者行動党では静寂の方が勝っている。夕方、党本部前または党本部内で党員の票獲得を、スローガンを叫びながら待ち始めたMHP党員たちは、高等選挙委員会が選挙に関する禁止事項を解除した後に、スクリーンに表れた得票率にショックを隠し切れない様子だった。結果発表開始後、党員のなかには本部から立ち去る者たちもいた。党執行部は最初の結果に関するコメントをしない中、デヴレト・バフチェリ党首は夜のうちに文書による発表を行うものとされている。一方、警察も党本部近くで警戒態勢をとっていた。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:22865 )