安価な覚せい剤・クラック、市場に出回る
2011年05月16日付 Jam-e Jam 紙

 伝統的な麻薬から合成麻薬に麻薬の消費が変化しつつあることに、どの関係者も警告を発している。各家庭は子供の将来を心配し、青少年が麻薬中毒のワナに搦め捕られることに恐怖を感じている。実際、危険な麻薬中毒者は路地裏に頻繁に出没しているのだ。関係者は安価な覚せい剤やクラックの危険が音を立てて近づきつつあることに警戒するよう、呼びかけている。

 麻薬撲滅本部の事務局長代理はジャーメ・ジャム紙とのインタビューのなかで、「アヘンの価格は昨年からこれまでに、5倍に跳ね上がった。国内の一部地域では、キロあたりのアヘンの価格は140万トマーン〔約10万円〕から180万トマーン〔約14万円〕に達している」と語る。

 ターハー・ターヘリー代理はさらに、次のように続ける。「こうした中、2つの状況が起きている。アヘンを利用してきた人々が治療を受けるようになっている一方、麻薬をやめることができず、別の麻薬に手を出す人もいるということだ。アヘンに比べて、ヘロインや、特にクラックの価格は極めて低い。この麻薬〔=ヘロイン〕はアヘンの派生物で、その製造コストはアヘンよりもずっと高いにもかかわらず、である」。

 同氏によると、こうした状況は、極めて危険な麻薬であるアヘンの派生物〔=ヘロイン〕を安価で人々に提供し、そうすることでその利用を広め、より多くの顧客を獲得しようという、麻薬密売組織の戦略を物語っているという。

 同氏は「こうした麻薬に加え、覚せい剤の価格もはっきりと下がっている。キロあたり1億8千万トマーン〔約1400万円〕から600〜800万トマーン〔約46万円〜62万円〕、さらに国の一部地域では400万トマーン〔約31万円〕にまで下落しているのだ。こうした価格変動が証明するのは、イランをはじめとする地域諸国における麻薬流通の舞台裏には、何らかの組織化されたグループが存在する、ということである」と続けている。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:22914 )