パレスチナの知識人はシリアのインティファーダを支持する
2011年06月16日付 al-Quds al-Arabi 紙
■パレスチナの知識人はシリアのインティファーダを支持する
2011年06月16日『クドゥス・アラビー』
民主化されたシリアにおけるあらゆる市民の自由と尊厳を求めるシリア民衆の平和的なインティファーダ(蜂起)が、90日以上も続いている。それと同時に、殺戮と市町村の封鎖、砲撃、兵糧攻めも続いている。政権側の諸機関による逮捕、拷問、粛清作戦はエスカレートし、それを口にしている本人すらもはや納得していないような脆弱な言い分の下に、国内のあちこちで、数百人の死者と数千人の負傷者・拘束者を出しつつある。しかもこの全てが、アラブ世界の公式な沈黙と、アラブの文化的組織の惨めなまでの対応の遅れの只中で進行している。こうした対応の遅さには、シリア社会の能力に対する不信や、シリア社会が自由になることの重要性およびシリア社会が自由にふさわしいという事実の軽視が紛れ込んでいる。
蜂起したシリア民衆を見捨て、野蛮な機構の餌食とし、もはや真実を覆い隠せない正当化されざる沈黙によって、彼らの胸に銃弾が降り注がれる事態を推奨するような行為に加担することにこそ、シリアを敵対勢力の餌食にしてしまう危険性が潜んでいる。それに対し、この声明に署名した我々パレスチナの文人・知識人たちは、シリア民衆と、彼らが民主的で多元的で統一されたシリアにおいて自由と尊厳ある生を送るその自明の権利を支持する以外の立場は見出し得ない。そこで我々は、シリアの統一と民主主義をあくまでも望む、平和的なシリア民衆のインティファーダへの連帯を表明し、長きにわたるシリア民衆への弾圧と自由の剥奪、逮捕・拘束を正当化するために、パレスチナの名とその大義を持ち出し、パレスチナ人の血を取引材料とすることを断固拒絶するものである。民衆を弾圧し、表現し選択し尊厳ある生を送るその権利をはく奪することを正当化し得るスローガンなど存在しない。パレスチナとアラブ民族が必要としているのは自由で民主的なシリアであって、国民の血にまみれ、打ちのめされたシリアではないのだ。
この立場は、エドワード・サイードやガッサーン・カナファーニー、マフムード・ダルウィーシュといった人々によって担われ、豊かにされ、本質を深められた解放のための計画にふさわしい形で、常に自由の側に立ってきたパレスチナの文化伝統を引き継ぐものである。
同胞たるシリア民衆は、そのあらゆる階層や宗派を含め、数十年にわたってパレスチナが頼りにしてきた強固な北の隣人であり、そこから息を吸うことのできる肺であった。そしてシリアの自由な知識人たちは、我々の兄弟であり、パレスチナ民族史の節目節目で、発言と立場と血を共有してきたパートナーであった。これこそ歴史が教えるところであり、歴史の経緯である。
自力で、揺るぎない意志を持って、自由の高みを目指す偉大なシリア民衆に敬意を。最近になって、アラブの領土に対するイスラエルの占領との対決におけるその真の役割を再建しつつあるシリア民衆に敬意を。野蛮な殺人機構に対抗して民主的で統一されたシリアの礎を築きつつあるシリア民衆に敬意を。勝利するシリアに敬意を。
[以下、署名人の氏名省略]
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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:22932 )