バハレーンの反体制派拘束にアメリカ政府が懸念、対話を呼びかけ
2011年06月16日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ バハレーン政府、国連事務所で平和的抗議運動を行って拘束された女性3人を釈放
■ アメリカはバハレーンの反体制派拘束に対して懸念を表明、対話を呼びかけ
2011年6月16日『クドゥス・アラビー』
【マナーマ:諸通信社】
アメリカ政府は水曜[15日]、数週間にわたって続いた民主化を求める抗議運動を経て現在予定されている国民対話を前にバハレーンは激しい緊張状態に包まれているとの見解を示し、バハレーン政府に対して国民に意見を出させるよう呼びかけた。
バハレーンの首都マナーマを訪問中のマイケル・ポスナー米国務次官補によると、アメリカ政府はバハレーン国民が起訴もせずに拘束され、被拘束者の一部が取り調べ中に拷問を受けたとの報告に対して懸念を表明している。
ポスナー国務次官補はマナーマでの談話で、ハマド・ビン・イーサー・アール・ハリーファ国王が提案した対話をアメリカは支援すると強調した。その一方で、今年バハレーンで起きた抗議運動で違法行為を犯したとされる数十人に対して行われる予定の裁判においては透明性を確保するよう呼びかけた。
ポスナー氏は記者会見で、「政治プロセスに参加する人が自らの意見を表明することを奨励するため出来る限りのあらゆる努力をしなければならず、人々が意見を表明したことで罰せられてはならない」と述べた。また、複数の政府高官や反体制派指導者らとの会談の後、「各当事者が非常に高邁な心をもっていることは明らかだ」と述べた。
バハレーンに4日間滞在したポスナー国務次官補は月曜日、扇動や武器保有、病院占拠などの罪に問われている医師48人の裁判に出席した。被告のうち数人は起訴事実を認めさせるため拷問を受けたことを話そうとしたが、裁判官によって制止された。政府は拷問を受けたとする主張について調査するとしており、ポスナー国務次官補もバハレーン政府が会合で調査を約束したと言明した。
弁護団が、被告人の診断を軍医ではなく独立した医師が行うよう求めたことに関してバハレーン政府と協議したのかという質問に対してポスナー氏は、「そのような詳細な情報も協議の内容に入っていたが、決定的な回答があったと言うことはできない」と述べた。
裁判を受けている医師の大半は拘束されており、人権団体によると数百人の収監者は容疑なしで拘束されているという 。ポスナー国務次官補は記者団に対し、「起訴されていない者や裁判を受けていないバハレーン国民が引き続き拘束され、彼らに対する拘束中の扱い、さらに一部が取り調べ中に暴行を受けたとの報告に関して我々は懸念している」と述べた。バハレーン国王は7月に国民対話を始めることを望んでおり、全てのテーマが協議の対象とされることを約束している。ポスナー氏は全ての当事者に対話を支持するよう呼びかけ、「私は事態を警戒しながら楽観的に見ている。非常に建設的なプロセスが進められる余地があると考えている。だが成功させるためには政府側と反体制側双方の努力が必要だ」と述べた。さらに、「アメリカ政府はバハレーンにおける安定を一貫して支援しており、バハレーン史上最悪の抗議運動で生じた亀裂を修復する措置が講じられることを望んでいる」と付け加えた。
活動家らによると、ポスナー国務次官補が談話を発表しているのと同じ時間に、バハレーン人女性3人がマナーマの国連施設で3時間にわたる座り込みを行い、逮捕されている親戚が確実に釈放されるよう国連の介入を求めた。バハレーン政府は首都マナーマの国連事務所で平和的抗議行動に参加している際に逮捕された女性3人を釈放した。ニューヨークの国連開発計画(UNDP)は昨日木曜日、女性3人の釈放と起訴状の撤回を伝える声明を発表した。
(後略)
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( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:22934 )