今年の初め〔2011年3月21日〕からのテヘランの大気の状況に関する統計によれば、「不健全レベル」42日、「非常に不健全レベル」2日、対して「健全レベル」はたったの35日
【社会部:プーラーン・モハンマディー】「ここ最近、理由もなく頭痛や目の痛みが続いている」、「過去に大した病歴がないにもかかわらず、よく咳が出る」、「激しい疲労感や体の痛みを感じてから久しい」。もしこのような症状から、よもや未知の病気にかかってしまったのでは、と不安に思っている人もいるかもしれない。もしそうなら、次のように言っておこう。それは、無関心を装ってやり過ごしてしまっても構わないような単なる思い込みではない、ということだ。
これらすべての症状は、長い間大気汚染という難問と闘ってきた我が国の多くの都市生活者、特にテヘラン市民に対して、大気汚染がもたらした副産物なのである。
ここ最近、我々が〔経済や技術の分野において〕どんなに進歩しようとも、テヘランの大気は危機的状況の一歩手前にあるというのが現実だ。多くの人々にとってこの話題は執拗に繰り返されてきたため、当局者もあまりこのことに触れなくなっているのかもしれない。あるいは、人々の意識を動揺させたくないという理由もあるのだろう。しかし、環境局の責任者もテヘラン州もここ数日間口をつぐんではいるものの、テヘランの大気は「警戒レベル」にあるというのが実際のところなのである。
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■大気中の浮遊汚染粒子、増加傾向に
テヘラン大気監視社代表は「ジャーメ・ジャム紙」の取材に対して、ここ数日間のテヘランにおける大気中の浮遊汚染粒子の指数は基準値を上回っていると発表した。〔‥‥〕
ユーセフ・ラシーディー代表はその上で、「心臓や肺に疾患を抱える人にとって大気汚染は大変危険なものであり、死に至る可能性すらあると、複数の調査研究は示している。それ故、心臓や呼吸器系に疾患を抱える人や幼児・高齢者には、ここ数日間外出を控えるよう勧告する」と付け加えた。
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■「清浄レベル」の日は一日もなく
テヘラン大気汚染観測所による今年の初め〔3/21〜〕からこれまでの最新報告によると、大気の状態が「健全レベル」だった日がたった35日であったのに対して、「不健全(警戒)レベル」は42日、「非常に不健全(緊急)レベル」は2日で、「清浄レベル」だった日は一日もなかったことが分かった。
テヘランの大気汚染という難問の解決は、恐らくそう遠くない将来においてすら期待してはいけないような夢であるという辛い現実を理解するのに、この統計を一瞥するだけで十分であろう。
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( 翻訳者:神田浩輝 )
( 記事ID:22945 )