イラン、ウラン濃縮力を3倍に増強
2011年06月09日付 Jam-e Jam 紙

フォルドゥーとナタンズの施設に新型遠心分離機を設置へ

 原子力庁長官は新型遠心分離機を〔イラン中央部ゴム州の〕フォルドゥーと〔イラン中央部エスファハーン州の〕ナタンズの両施設に設置することを明らかにし、「〔ウランの〕20%濃縮作業を現状の3倍に増強する予定だ」と述べた。

 イランは濃縮度20%のウランを生産することを、イラン暦1388年バフマン月〔西暦2010年1/2月〕に国際原子力機関(IAEA)に正式に通知し、それに合わせてこの作業をIAEA査察官・観察官らが見守るなかで開始した。

 イラン国営放送報道センターの報道によると、昨日閣議の合間に記者団と会見したフェレイドゥーン・アッバースィー原子力庁長官は、現在イランがどれだけの規模でウランの20%濃縮作業を行っているのかについては、言及しなかった。

 同氏は、アフマディーネジャード大統領が記者会見で述べた新型遠心分離機に関する質問への回答の中で、「現在、新型遠心分離機に関して作業を行っているところであり、それについての研究段階は既に終了している」と述べた。

 同氏は続けて、「間もなく、新型遠心分離機を164機つなげた最初のカスケードを設置する予定で、結果を測定した上で、最終的な作業に取り掛かるつもりだ」と語った。

〔‥‥〕

20%濃縮作業はフォルドゥーの施設に移設

 アッバースィー氏は、IAEA 事務局長に2通目となる回答書を送るつもりはあるか、もし送るとすれば、その内容は如何なるものになるかとの質問への回答の中で、「必ずや、原子力に関して専門的な内容の回答を、天野〔事務局長の報告〕に対して行うことになるだろう」と語った。

 同氏は加えて、「今年はIAEAの監視下で、20%濃縮作業をナタンズの施設からフォルドゥーの施設に移し、生産能力を3倍に増やす予定だ。これはIAEAが求めていたことへの回答である」とも述べた。

 同氏はまた、「IAEAの監視のもと、フォルドゥーの施設で現状の2倍の生産が行われるのを確認するまで、ナタンズの施設での20%濃縮作業を停止することはない」とも強調した。

 アッバースィー氏は、移転のための全作業工程はIAEAの監視下で行われると指摘し、「フォルドゥーの施設での生産力を3倍に増やした後で、ナタンズの施設における20%濃縮部門を停止し、完全にフォルドゥーに移る予定だ。それ故、20%濃縮作業が完全にフォルドゥーに移り、生産力が3倍にならない限り、ナタンズの濃縮部門を停止することはない」と述べた。

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( 翻訳者:齋藤奏恵 )
( 記事ID:23004 )